不在者投票、勝手に代筆…特養ホーム課長ら
24日に投開票された統一地方選後半戦の静岡県清水町議選で不在者投票を偽造したとして、県警は28日、清水町の特別養護老人ホーム「かわせみ」事務課長加藤好一(49)(沼津市原)、同施設職員二村一壮(30)(三島市御園)の両容疑者を公職選挙法違反(投票偽造)の疑いで逮捕した。
県警は29日、同施設などを家宅捜索するとともに、両容疑者の身柄を静岡地検沼津支部に送った。
発表によると、2人は清水町議選の不在者投票で、「かわせみ」に入所している意思疎通が図れない高齢者十数人分の投票用紙に、本人の意思とは関係なく勝手に特定の候補者名を代筆した疑い。2人は「候補者に日頃世話になったので、恩返しでやった」と容疑を認めている。
捜査関係者などによると、同施設は、投票所に出向けない入所者のために、同町選挙管理委員会に不在者投票施設を申請し、指定されていた。
二村容疑者は20日、同町選管から不在者投票用の投票用紙を受け取った。特定の候補者名を勝手に記載した偽造票などを入れた封筒に、不在者投票の立会人を務めた加藤容疑者が署名し、二村容疑者が23日に同町選管に提出した。施設関係者によると、不在者投票は22日に施設の食堂で行われたという。
県警では、実際に候補者の名前を書いたのは施設の別の職員と見ており、これらの職員も含めて、ほかに関与した職員がいなかったどうかや、ほかに偽造票がなかったかなどについて、今後捜査を進める。
同町によると、二村容疑者に渡した投票用紙は50人分で、提出された投票用紙も同数だった。入所している70歳代の男性は読売新聞の取材に対し「不在者投票はテーブルの上で投票用紙に候補者を書き、自分で封筒に封をして、職員に渡す方式だった」と話し、不在者投票が正しく行われた分もあったと証言する。この男性は「(逮捕された)2人はまじめで一生懸命仕事をしていた。なぜそういうことをしたのか知りたい」と困惑気味だった。
また、同施設を運営する社会福祉法人の男性評議員(65)は、「27日に(施設に)警察が来たと聞いたので、すぐに主な職員に『不正はないか』と確認した。加藤容疑者にも聞いたが、『していません』と答えていた。まずは事実確認を急ぎたい」と話した。
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特別養護老人ホーム「かわせみ」では29日午後、捜査員12人が捜索に入り、約2時間半かけて資料などを押収した。捜査員が事務所などを捜索する間、職員や入居者は不安そうに見つめていた。
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