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「イチローさんとまた対戦できる」

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渡米を前に笑顔で記者会見する松坂(15日午後、成田空港で)

 ポスティングシステム(入札制度)を利用して米大リーグ移籍を目指している西武の松坂大輔(26)が15日、成田空港で記者会見。30日間の独占交渉権を獲得したレッドソックスについて、「昔からある名門チーム。数多くの名選手が出ている」と好印象を語った。松坂とレッドソックスの契約が完了すれば、約60億1000万円の入札金が西武に支払われる。松坂は代理人との打ち合わせと米国での自主トレ候補地視察などのため、同日夕に渡米。21日に帰国する予定。

 西武が移籍容認を表明してから2週間。「時間がたつにつれて早く決まらないかなという気持ちが強くなった」と待つ身の心情を正直に吐露した。

 西武にドラフト1位指名された時よりも緊張して「なかなか眠れなかった」。マウンド上では不敵な怪物も不安な気持ちに悩んでいた。落札額は20億円程度と思っていたが、実際は約3倍の60億円。「しばらくは信じられなかった」。だが、高い金額が入ることが「8年間お世話になったライオンズに出来る最後の恩返し」と思った。

 レッドソックスとライバル関係にあるヤンキースには松井秀喜がいる。だが、対戦したい打者を聞かれると、「同じリーグに、また対戦したいと思っていたイチローさん(マリナーズ)もいる」とかつてのパ・リーグのライバルを挙げた。今年3月のWBCでも、チームメートとして世界一になっただけに思い入れも強いようだ。

 まだ訪れたことのないボストンの街にも思いをはせた。「住みやすいんじゃないかと思う。家族が不自由なく暮らせる環境が良かった」。倫世(ともよ)夫人と12月に1歳になるまな娘を気遣う家族思いの一面ものぞかせた。

一問一答

 松坂の一問一答は次の通り。

 ――今の心境は

 「社長から話を聞くまでどうなるか分からなかったので、本当にほっとした」

 ――渡米の目的は

 「代理人のボラス氏に会うことと自主トレ場所の視察」

 ――ボラス氏に期待することは

 「一番は家族のサポート。心配なく野球をやれる環境を整えてもらいたい」

 ――60億円のプレッシャーは

 「プレッシャーがなければやる気も出ない。そういうものがついて回ればいい結果に結びつく」

 ――金額はどれぐらいを想像していた

 「30億円はまずないと思っていたが、球団のために20億円前後は期待した。(60億は)本当に信じられなかった」

 ――入札金は球団にどう使ってほしい

 「選手がプレーしやすく、ファンが来たいと思えるよう球場が改善されれば」

 ――メジャーへの期待や不安は

 「契約できれば出てくると思う」

2006年11月16日  読売新聞)
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