変幻松坂 3回無失点「まだ4、5割」でもメジャー興奮【ジュピター(米フロリダ州)=下村征太郎】米大リーグ、レッドソックスの松坂は6日、ジュピターで行われたマーリンズとのオープン戦に先発、3回を投げ3三振を奪う好投で無失点に抑えた。投球数は47。2日の大学生相手の登板以来で、メジャー相手の登板は初めてだった。 直球は最速151キロをマーク。スライダーのキレもよく、二回の一死二、三塁も冷静に切り抜けた。また、三回にはラミレスのライナーを好捕、守備でも一級品のところをみせた。 松坂が登板するとあって、スタンドは8000人を超える観客で超満員。1500枚用意した立ち見席券も完売した。マーリンズのキャンプ地での試合にもかかわらず、売店では松坂のTシャツが飛ぶように売れていた。次の登板は11日のオリオールズ戦の予定。 開幕へ確認作業最速151キロの直球もさることながら、ホームプレートの幅をいっぱいに使った松坂のピッチングに大リーガーたちは目をむいた。体に向かってくるボールが手元でクイッと曲がる。思わず体をのけぞらした時、ボールはストライクゾーンを通過している。内に意識を強く持てば、今度は外角低めにズバッと速球が決まり、さらに遠く逃げるスライダーもある。松坂の投球は変幻自在だ。 昨年のナ・リーグの新人王、ラミレスは「スライダーとカーブが鋭いね。同じリーグじゃなくてよかったよ」。昨季、27本塁打のアグラは「直球は伸びてくるし、カーブは体に当たるかと思ったよ。こういう投手と対戦すると、こっちもアドレナリンが出てくるよ」と興奮した。 それでも松坂に言わせれば、「まだ、4から5割くらいですかね」。ストライクゾーンの確認も含めて開幕へ向けての確認作業を一つずつ行っている段階だ。 二回一死二、三塁のピンチも、松坂にとっては、いい練習機会。走者を出した後に、いかに抑えるかをテーマの一つに掲げる右腕はインサイドのスライダーで招待選手のシーボルの腰を完全に引かせ、見逃しの三振を奪った。「ああいうボールも使えるな、と思いました。ランナーを出した時はシーズン中と同様に抑え込もうという意識でやっただけ」と平然としたもの。 投げるたびに、評価は高まっていく。だけど、怪物はそんな周囲に惑わされない。投げる場所が変わっても、自分のスタイルを守り、きっちりと、準備を進めている。(下村征太郎) 「ジャイロ見た」松坂が投げるとされる全米でうわさのジャイロボールの“目撃者”がついに現れた? 「松坂がおれに投げたのは直球、スライダー、カーブ、それとジャイロが1球あったな」と証言したのはマーリンズの4番を打ったストークス。彼は第1打席の2―1からのボールとなった5球目が“魔球”だったという。「フォークとチェンジアップが混じったようなボール。外に逃げていったね。あの球は打っても空振りかゴロにしかならない」と絶賛した。ようやく沈静化しつつあった魔球伝説も、目撃者の登場で、再燃する気配が出てきた。ちなみに日本メディアの間では、問題の1球は「スライダー」と判定されていた。(下村征太郎) (2007年3月7日 読売新聞)
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