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逆転信じ、抑え準備 松坂の執念届かず…ア・リーグV決定第7戦

ア・リーグV決定第7戦 レイズ3−1レッドソックス

 七回。スタンドがざわめいた。松坂がブルペンに向かったからだった。

 ただの中継ぎ待機ではなかった。抑えのパペルボンに疲れがたまっているため、「(逆転した場合)締めは任せる、と言われた。そういう状況で投げたいと思って準備していた」。

 チームトップの18勝を挙げた実績を買われての指名。本人も「去年の成績だったら、こんなことはなかった」と、信頼を意気に感じた。だから、逆転を信じ、気持ちを盛り上げて備えた。

 だが、チームは七回まで2安打。2点を追う八回は二死満塁の好機を作ったが、小刻みな継投の前にあと一本が出ず、力尽きた。

 先発した第5戦では5失点KO。それでも、チームは大逆転勝利を収めた。最後の最後で、チームに貢献しきれなかった悔いが残ったのだろう。「負けて終わるのはきつい。連覇したかった」。本音を漏らすと、少し目が潤んだ。

 「すべてにおいてレイズの方が上だった」と完敗を認める一方で、こう付け加えた。「来年、倒さなきゃいけないチームが、また一つ増えました」。気持ちを切り替え、すでに来季を心待ちにしている松坂がいた。(本田祐介)

2008年10月21日  読売新聞)
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