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東京ゲームショウ2011

主役はスマートフォン 新型機ヴィータも存在感

GREEのブース

 ゲーム業界で国内最大級のイベント「東京ゲームショウ2011」が15日、「ゲームで日本を元気に」をスローガンに千葉・幕張メッセで開幕した。

 16日までは報道・流通関係者向けのビジネスデーで、17、18日に一般公開される。ゲーム機種別ではスマートフォン向けが去年の倍の100タイトルと最多となり、ゲームを遊ぶハードの主役はもはやスマートフォンであることを強く印象付ける。一ゲームファンの視点から会場を回ってみた。

「スマホはゲーム機であるとわかった」

 会場内には、携帯ゲームでユーザーを広げるSNSの「GREE」が、セガなどに匹敵する巨大ブースで出展。隣接する「モバイル&ソーシャルゲームコーナー」も、アンドロイド携帯のロゴと共に会場で一際目立っている。

 主催のコンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長を務める和田洋一・スクウェア・エニックス社長は、初日の基調講演で「ゲーム機は、デバイス(端末)としての特殊性がなくなった」とする認識を示した。「ネットに基盤の本質が移ったため、ゲーム専用機か汎用機かの違いは無意味になった」というのだ。

 呼応するように、スクウェア・エニックスはこの日、場内でスマートフォン市場に本格参入すると発表した。アンドロイド端末向けのポータルサイトを今冬から展開し、人気の「サガ」シリーズの新作RPG「エンペラーズ サガ」を「GREE」でこの秋から提供する。原口洋一・同社専務執行役員は「フィーチャーフォン(従来型携帯)向けが当初は交じるが、やがてスマートフォンに特化する」と明言した。

 さらに同社モバイル事業部の安藤武博プロデューサーらは、iPhone向けアプリとして15か国で売り上げトップを記録した「ケイオスリングス」の成功などから「スマホはゲーム機であるとわかった」と断言。「ケータイでも面白いゲームが作れるということをキチンとやっていきたい」と自社ステージ上で力強く宣言した。具体的には、人気作家・鎌池和馬氏のシナリオによる新作カードバトルRPG「拡散性ミリオンアーサー」や、据え置き型ゲーム機に負けないグラフィックが売りという「デモンズ・スコア」などといったオリジナル新作を、来年の発売を目指してiPhoneとアンドロイド端末向けに開発中と明かした。

「ヴィータ」体験コーナーに長い列

報道関係者らで混雑したヴィータの体験ブース

 一方、ゲーム専用機で存在感を示したのは、ソニー・コンピュータエンタテインメントが今年12月17日に発売する新型の携帯型ゲーム機「プレイステーション・ヴィータ」だ。基調講演でデモを行ったほか、自社ブースでも大展開した。PS史上最多という26本の専用タイトルが本体と同時発売される。日本ではヴィータを手に取って試せる機会は今回が初めてで、メディア関係者も長い列を作った。

 筆者も触れてみたが、5インチの高精細有機EL液晶は、現行のPSPと比べても美しく鮮明で、タッチスクリーンになったことでiPhoneのような操作も可能となり、様々な可能性を感じさせるハードではある。本体重量もPSPとほぼ同じで負担にはならないと感じた。ただ、ソニーが新技術としてアピールするAR(拡張現実)や背面のタッチパッドなどの機能がどこまでソフトに生かされるかは、今後のゲームメーカーの工夫次第となる。

注目の3DSソフトもいち早く体験できる

 本体値下げで注目度が上がった「ニンテンドー3DS」の専用ソフトも65タイトルが展示されている。カプコンのブースでは、協力プレーで大人気のアクションゲーム「モンスターハンター」シリーズの今年12月発売の新作「モンスターハンター3(トライ)G」が展示されている。画面の印象がPSP版と比べてどうなるのか心配もあったが、映像デモを見た限りではそれほど画面が狭すぎるなどとは感じなかった。3Dならではの臨場感は実機を見ないとわからない部分で、気になっている人は要チェックだろう。

 また、熱海旅行ブームなど一種の社会現象まで起こしたコミュニケーション・ゲーム「ラププラス」シリーズの新作「NEWラププラス」(12月8日発売予定)は、コナミのブースで一部機能のデモが体験できる。3Dで描写される女性キャラクターを、ジャイロセンサーによって様々な角度から“撮影”できるというユニークなもので、新作であの3人がどう描かれているか、その一端がうかがえる。

 ケータイ向けのゲームというと、従来は単なる暇つぶしやSNS内での交流を楽しむだけの“カジュアルゲーム”が目立っていたが、すでにスマートフォン専用ソフトの中には美麗な映像や高度な戦略性、深い没入感といった専用機のお株を奪うようなソフトが登場しており、今後はこうした本格的なゲームをケータイで楽しむ流れが加速しそうだ。一方、ゲーム専用機が生き残っていくには、3D描写などの独自機能による演出や、実装されたボタン操作・大画面といった専用機ならでは優位性を生かした遊び方の提案がますます重要になってくるだろう。(大和太郎)

◆東京ゲームショウ2011写真特集はこちら

2011年9月16日  読売新聞)

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