(32)物の大切さ捨て方から学ぶ
いくら言っても自分の物を大切にしません。(小5女子の母)
あんなに欲しがって買った物がいつの間にか床の上に。そうだ、思えばあの服も、この小物も。「物は大切にしなさい」と、さんざん言い聞かせているのに……。
「もしかして、その原因はお母さんにないでしょうか」と問うのは、立命館小学校の陰山英男副校長です。子どもが物を大切にしないという親からの相談でままあるのは、家中に物があふれているケースだそうです。
例えば、ふだんより安いからと、つい物を買ってしまう。たまったポイントで、何となく景品をもらう。「本当に必要かどうか」より損得勘定を優先した結果、不要な物が身の回りにあふれ、従って大切にしない。つまり、親が自ら悪例を演出しているというわけです。
「心当たりがあるなら、親から変わりましょう」と陰山さんは勧めます。有効なのは、買う前に、捨てる時を具体的にイメージすることだといいます。どう使い、どんな状態で捨てることになるのか。捨てられた後、どうなるだろうか。これを親子で一緒に考えるのです。
捨てることから物を大切にする心を学ぶ。格好の環境教育になるかもしれません。(松本美奈)
(2011年11月25日 読売新聞)
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