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『みんなの寺のつくり方』 天野和公著

 寺の関係者が親族におらず、檀家(だんか)ゼロの状態から寺を開いた夫婦の約10年に及ぶ体験記。

 著者は仙台市泉区の宗教法人「みんなの寺」の坊守(住職の妻)。大学で仏教に魅せられ、同じ志を持つ僧侶と運命の出会いを経て結婚、2人でお金を()めて念願の寺の開山を目指す。

 軟らかい文体のエッセーやコラムを通じて、身近にあってもよく分からない“仏教業界”の事情が透けて見える仕掛けになっている。特に、住職夫妻の給料やお布施の額など、年間の寺の収支をハッキリ提示しているのには驚いた。

 僧侶との結婚を両親に猛反対され、親子の縁を切られた著者が、子供の誕生をきっかけに少しずつ仲直りしていく家族再生のドラマも心を打つ。実際にこの寺へ参詣してみたくなる1冊。(雷鳥社、1300円)(森)

2011年11月30日  読売新聞)

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