手書き楽しむこだわりノート
オーダーメード・高級紙が人気
紙の品質やデザインにこだわったノートが今、人気だという。表紙の素材や紙のとじ方を選んで自分だけのノート作りをする人も。
新しい年には、ちょっぴりぜいたくなノートで手書きを楽しんでみてはいかがだろう。
表紙はでこぼこした手触りの黒い厚紙で、B5判の無地の紙をリングでとじてある。これは、東京都内のアートディレクター関宙明さん(42)が1年前から愛用するオーダーメードのノートだ。「仕事の打ち合わせなどでメモを取るときに使います。人前で出す機会も多いので、大人っぽい、落ち着いた色合いにした。ノートを単なる実用品ではなく、雑貨に近い感覚で選べるのが楽しい」と話す。
関さんが、このノートを注文したのは、東京・台東区の文具店「カキモリ」。同店では、自分の好みでオリジナルのノートを1冊から作ることができる。表紙は革や布など約60種類、中に挟む紙は、表面がつるりとしたものやざらついた紙、画用紙など約30種類から選べる。注文から10分ほどで完成品を受け取れる。1冊1000〜2000円ほどになるという。
1年前に同店を開いた広瀬琢磨さん(31)は、「パソコンを打ち携帯電話でメモする時代になり、手書きの機会は減った。だからこそ、手で書くときはノートにもこだわってほしい」という。
東京・国分寺市の「つくし文具店」では、オリジナル商品「つくしノート」(1995円)が好評だ。紙は、少し厚手でもともと帳簿などに使われるもの。淡いクリーム色で高級感がある。長野県伊那市の「
店主の萩原修さん(50)は、「勉強用でも仕事用でもない、大人向けの文具をと考えた。無地のページは制約がない。自由に絵を描いても楽しいですよ」と話す。
ペンや万年筆の書き味を確かめるように、買う前にノートも試してみたいというニーズが高まっている。そこで「銀座・伊東屋」(東京・中央区)では、今年6月からノート売り場に「試し書きコーナー」を設けた。約20種類のノートに、手持ちのペンで試し書きができる。担当バイヤーの竹内康介さんは「にじみ方や紙の滑りの好みも人それぞれ。じっくり選んでみてください」と話していた。
こだわって選んだノートは楽しく使ってみたい。「日記を書こうと大げさに構えず、おいしくできた料理や感動した本など、毎日のちょっとしたことを記録してみては」と提案するのは、雑貨デザイナーの宇田川一美さん(41)だ。
カフェ巡りならケーキやインテリアを描いてみたり、レシピを書き留めるなら使った調味料のラベルを貼ってみたり。「マスキングテープ(紙テープ)を道に見たててノートに貼り、お散歩マップを作っても。絵が苦手という人でも、完成度が高くなりますよ。ノートは後で見返す楽しみもあります」と話している。
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