中継所・繰り上げ目前2度崩れ落ち、タスキが…
箱根駅伝9区の20キロを過ぎたあたりから、神大の鈴木駿選手(3年)は両足が急に震え始め、視点も定まらなくなっていた。
「時間がないぞ」。もうろうとする意識の中、大後栄治監督の声がはっきり耳に入った。繰り上げスタートの時間が近づいていた。
「タスキを途絶えさせたくない」と何とか足を進めたが、鶴見中継所まであと30メートルのところで、ストンと膝から崩れ落ちた。起き上がり、走り始めるもまた転倒。その時、大後監督が叫んだ「行け!」の声がかすかに耳に届いた。
最後の力を振り絞ってタスキを握りしめた両手をグッと伸ばし、鶴見中継所に倒れ込んだ。10区の高橋俊光(4年)が走り始めた直後、繰り上げスタートを知らせる号砲が響いた。「よかった。つながった」
総合成績は15位。初出場の箱根駅伝だったが、思わぬ形で足を引っ張ってしまった。「箱根の借りは箱根で返す」。気迫でつないだ「プラウドブルー」のタスキに雪辱を誓った。(竹内駿平)
(2012年1月4日07時50分 読売新聞)
|
|
|
||||||
|
- 「いわき内郷の星」東洋大・柏原の地元に横断幕 (1月8日 13:06)
- 「史上初」4年連続の学連選抜…松蔭大・梶原 (1月5日 13:59)
- シード争い…一斉スタートで観戦者に順位不明 (1月4日 08:57)
- 中継所・繰り上げ目前2度崩れ落ち、タスキが… (1月4日 07:50)
- 無冠の早大・渡辺監督「惨敗・完敗・おごり…」 (1月4日 07:30)
- 東洋大・柏原を最優秀選手に選出…箱根駅伝 (1月3日 23:43)
- 5位躍進の青学大・原監督「10区間ノーミス」 (1月3日 21:24)
- 国士舘大・小川コーチ「読みの甘さもあった」 (1月3日 20:55)
- 駒大・大八木監督「東洋大強かった、に尽きる」 (1月3日 20:51)
- 国学院大・前田監督「前回フロックと言われた」 (1月3日 20:39)