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中継所・繰り上げ目前2度崩れ落ち、タスキが…

倒れ込みながらタスキを手渡す神奈川大の鈴木駿(左)

 箱根駅伝9区の20キロを過ぎたあたりから、神大の鈴木駿選手(3年)は両足が急に震え始め、視点も定まらなくなっていた。

 「時間がないぞ」。もうろうとする意識の中、大後栄治監督の声がはっきり耳に入った。繰り上げスタートの時間が近づいていた。

 「タスキを途絶えさせたくない」と何とか足を進めたが、鶴見中継所まであと30メートルのところで、ストンと膝から崩れ落ちた。起き上がり、走り始めるもまた転倒。その時、大後監督が叫んだ「行け!」の声がかすかに耳に届いた。

 最後の力を振り絞ってタスキを握りしめた両手をグッと伸ばし、鶴見中継所に倒れ込んだ。10区の高橋俊光(4年)が走り始めた直後、繰り上げスタートを知らせる号砲が響いた。「よかった。つながった」

 総合成績は15位。初出場の箱根駅伝だったが、思わぬ形で足を引っ張ってしまった。「箱根の借りは箱根で返す」。気迫でつないだ「プラウドブルー」のタスキに雪辱を誓った。(竹内駿平)

2012年1月4日07時50分  読売新聞)
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