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Vol.378 マツダ アクセラSKYACTIVSKYACTIV搭載 第2弾試乗をしたアクセラ・スポーツ20C-SKYACTIVの価格は190万円(税込み)
室内は黒を基調にコーディネートされ、運転に集中させる雰囲気がある
リアハッチバックを開けたトランクは深さ奥行きともたっぷり
高圧縮比の直噴ガソリンエンジンにアイドリングストップが組み合わされる
後席の背もたれは左右が分割され、前方へ倒すことで荷室を広げられる
3人掛け用後席には3点式シートベルトも3人分装備されている
キーレスエントリーシステムにより、ドアの取っ手のボタンを押すとロックの開錠と施錠ができる
ETCのカード挿入部はサンバイザー裏に設定され、外から見えにくくなっている
アクセラSKYACTIVは、マツダの環境技術SKYACTIVを搭載した第2弾の乗用車だ。車種は、4ドアハッチバックと、4ドアセダンの2種があり、今回試乗したのはハッチバックのアクセラ・スポーツ20C-SKYACTIVである。 第1弾として登場したマツダのデミオSKYACTIVは、ガソリンエンジンでハイブリッドカーに近い燃費性能を実現するという、低燃費が売りだった。今度のアクセラSKYACTIVも、同様のガソリン直噴技術を採用したエンジンを搭載するが、加えて、6速オートマチックトランスミッションにもSKYACTIV技術が適用されている。 これは、ロックアップと言って、エンジンの力がタイヤへ無駄なく伝達されるように、クラッチを接続した状態を長く維持することで、伝達力の損失を少なくし、燃費を良くしようとする技術だ。 それは、運転感覚からもはっきりわかる。 普通のオートマチックトランスミッションでは、ギアを変速する際にショックが出る。しかし、SKYACTIVのオートマチックトランスミッションは、クルマが発進した後、ギアが切り替わっていく様子に気付かないほど加速が滑らかなのだ。その様子は、二つのクラッチを使って変速を滑らかにするDCT (Dual Clutch Transmission)という技術を用いたトランスミッションを知る人であれば、それに匹敵する滑らかさと言える。 SKYACTIVの6速オートマチックトランスミッションには、マニュアルモードがあり、シフトレバーをドライバーが自分で操作すると、1速ごとにシフトアップやダウンの変速を行える。これを試すと、瞬時にしてギアが切り替わり、とくにダウンシフトの際にはすぐにギアダウンされるので、エンジンブレーキを即座に利用できる良さがある。 高級で上質な乗り心地クルマの全体像として、アクセラSKYACTIVを運転してまず気づくのが、とても高級で上質な乗り味であることだ。静かで乗り心地が良く、運転の手ごたえがしっかりとして安心感と頼りがいがある。これほど質の良さを実感できるクルマはそう多くはないし、端的に例をあげれば、ヨーロッパ車の味わいである。走りはじめてすぐという、そのチョイ乗りで、一遍に気に入らせてしまう魅力がある。 これまでのアクセラも良いクルマではあったが、その質の程度が格段に違う。たとえば、ドアを閉じていても車体の立てつけの良さが感じられ、車体が一体の塊となっている様子が伝わってくるのだ。これほどしっかりとした車体であれば、耐久性においても長く乗り続けられるだろうと思う。 エアコン使用でカタログに近い低燃費外気温度20度ほどの気候の良い時期であったが、エアコンディショナーを入れたまま走行していても、マツダではi-stopと呼ぶアイドリングストップが停車のたびに機能した。このアイドリングストップは、ブレーキペダルから足を離したときだけでなく、右折時など、ハンドルを回そうという動作をすると、エンジンが再始動する仕組みになっている。 市街地と高速道路を織り交ぜて、40キロほど試乗をした平均燃費は16〜17km/Lであった。試乗をしたアクセラ・スポーツ20C-SKYACTIVのカタログ燃費性能は、JC08モードで17.2km/Lであり、それに近い燃費を、ごく普通の運転で、エアコンディショナーを使いながら出せたことになる。 エンジン性能の高効率化だけでなく、それをタイヤへ伝える伝達機構のトランスミッションのSKYACTIV化により、カタログ標記に近い燃費性能を簡単に実現できたことに驚かされる。 そうした環境性能や経済性だけでなく、乗り心地の快適さと、運転の心地よさを満喫させるアクセラSKYACTIVは、どのようなクルマ選びをするにしても、まずは一度運転してみるべき一台と言える。
(2011年12月13日 読売新聞)
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