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子ども

(14)試練の日々

 経営者の育休取得によって引き起こされたこと。それはとてもおめでたいことだが、社員の連続妊娠であった。

 これには伏線がある。弊社はとあるきっかけから、数年前から「残業原則禁止」を始めていた(ここらへんは『働き方革命』という本に書いたので、詳細は割愛)。そうした長時間労働是正策を取り、定着していくにつれ、妊娠や育休取得数が目に見えて上がっていった(同時に優秀な女性が採用しやすくなったり、定着率が上がっていった)。

 長時間労働が少子化に影響している、という国が出したデータを「ふーん、そんなもんかぁ」と見ていたが、どうやら本当だった。残業を辞めただけで、コンスタントに社員は妊娠・出産していったのだ。

 その波が、僕の育休と完全にかぶった。今回の波は、ハワイ沿岸顔負けのビッグウェーブで、一気に3人が妊娠したのだった。やぁめでたい。自分たちは保育会社だし、特に喜ばしいことだ。

 しかし、(人にもよるが)妊娠後はつわりなどがあり、どうしても休みがちになる。代替要員の採用は急げども完全には間に合わず、当然穴が開く。小さな会社だと、それは顕著だ。

 そんなこんなで、一気に人手不足とフォロー体制の構築、代替要員の募集・面接・採用業務等で、忙しさが激増した。当然その影響は僕の育休ライフにも及んでくる。

 人の募集文面は目を通さないといけないし、最終面接は出なければならない。おちおち休んでもいられなくなってしまった。

 「冷静と情熱の間」に、ではないが、「めでたさと忙しさの間」に、突入していった。

 さらに、育児ライフでも色々な変化が起きていた。

 「助っ人外国人」よろしく、実家から来てくれていた妻の母親が、日々のオーバーワークに疲れ、寝込んでしまった。今期期待の大型外国人が故障者リスト入りしてしまった、弱小球団のようなシチュエーションになってしまった。

 そして相変わらず妻の体調は悪そうだ。

 これは正念場である。何とか自分が頑張らねば。冷や汗をかきながら、決意した。

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駒崎 弘樹(こまざき・ひろき)さん
NPO法人「フローレンス」代表理事。慶応大在学中、ITベンチャー社長に就任。子どもの発熱のため仕事を休んだことを理由に解雇された人の話を聞き、病児保育問題の解決を志す。2005年に「非・施設型病児保育サービス」を東京都江東区でスタート。都内 23区をはじめ神奈川、千葉県にも事業展開中。
NPO法人フローレンスのURL:http://www.florence.or.jp/
2010年10月18日  読売新聞)

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