(25)苦手な料理とイノベーション(前半)
もはや、育児、家事は任せとけ!だが、一つだけ苦手なものがある。料理だ。
長いひとり暮らしのころから、これはダメだった。何が嫌って、ひとつの料理を作るのに、もうめちゃくちゃ時間がかかることだ。
それは僕がレパートリーがなくレシピを覚えていないからなのだが、「よし、今日はカレーを作ろう」とか思っても、冷蔵庫には豚肉はないし、じゃあスーパーに買いに行こうとすると、平気で往復30分くらいかかる。作るとさらに45分、皿洗いに20分などとやっていると、平気で2時間くらいどっか行っちゃう。仕事で忙しいのが通常状態だと「もういいわ。外で牛丼食おう」となる。
そんなこんなで全く料理の腕を上達させずにここまで来てしまったのだが、子どもが生まれると、妻に任せっきりとはいかなくなった。授乳は妻にしかできず、そうした時間を使って僕が料理を作らないといけない。
しかし、料理が何よりも苦手な自分がやれるのだろうか。まるで新卒社員のようにビクビクしていた自分であったが、ある時イノベーションを生み出した。
それが「お膳立て料理法」である。
これは何かと言うと、
(1)今日、何を食べるかの決定
(2)食材の準備だけは、僕が娘を沐浴させている間に、妻にやっておいてもらう
そして沐浴後、体を拭いて授乳をしている20分間で
(3)指示を受けながら
(4)調理を僕が行う
というやり方だ。
これによって、驚くほどに料理に対する「敷居」が下がったのだ。
やってみて気が付いたのは、僕は「料理が嫌い」だったのではなく、「何を作ればいいのか分からない」のが嫌だったのだ、ということだった。
食材を切ったり煮たり焼いたり盛りつけたり、という作業自体は、創っていく喜びがあるので、意外に楽しんでやれたのだった。
そして、「自分は作れたぞ」という自己肯定感を味わえるとともに、「よし、もっとやってみよう」という前向きな意識も持てるようになったのだ。
はっ! これは、もしかして企業の人材育成と同じではないか!?まさにレヴィンとウェンガーの「正統的周辺参加」理論ではないか。(続く)
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