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3トップ存在感発揮

 オシム監督は試合後、「一部の選手が興味深いプレーを見せた」と振り返った。その選手とは先発の大久保嘉、田中達、さらに代表初出場の前田の3トップだろう。指揮官は後半開始時に3人とも交代させる計画もあったが、前半の内容から、後半もしばらく使ったと明かした。

 確かに、存在感があった。大久保嘉は20分過ぎ、相手ゴール前でのドリブルから、決定的なラストパスを送り、田中達も身体能力の高いカメルーン相手に果敢に突破を狙った。前田はヒールパスなどを織り交ぜ、従来の日本人FWとはひと味違う柔らかさを見せた。

 4位に終わったアジアカップでは、攻撃陣の消極的な姿勢が目立った。それが頭にもあったのだろう。この日の3トップはどう猛だった。大久保嘉が「前で仕掛けることができた」と言えば、田中達も「前を向いてプレーすれば何とかなる」と手応えを感じていた。

 もちろん、この3人でさえ、前日にようやく全選手がそろったばかりで調整不足のカメルーンにはじき返された感は否めない。ただ、勝負しなければ、課題も見えない。アジアカップに出場できなかった3人のプレーは、十分に将来への可能性を感じさせるものだった。(平野和彦)

代表復帰祝う先制弾

 けがでアジアカップの代表から漏れた闘莉王が、鮮やかな先制ヘッドで、今年3月のペルー戦以来となる代表復帰を自ら祝った。25分、遠藤のFKをニアサイドで合わせ、後ろに流してゴールネットを揺らした。「高さでは勝てないので、(相手より)前で触れば何とかなると思った。狙い通り」と胸を張った。「守りだけじゃ満足できない」という“攻撃的DF”の存在感はさすが。頼もしい男が日本代表に戻ってきた。

山瀬功豪快ミドル

 アジアカップから入れ替わった攻撃陣には、オシム監督が「現在、調子の良いクラブから選んだ」と話す選手がいるが、その代表格と言えそうなのが、山瀬功。攻撃的サッカーを展開する横浜Mを引っ張るアタッカーは89分、チームでのプレーそのままに豪快なミドルシュートをたたき込んだ。「ゴールに向かって仕掛けること」を今年のテーマに掲げる山瀬功らしさが出たゴールだった。

 前田「(代表初出場に)シュートが打てなかったのは残念だが、ボールに多く絡めたのは良かった。チーム(磐田)でいい結果を残して代表に定着できれば」

2007年8月23日  読売新聞)
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