3失点、日本完敗…強化試合・オランダ戦【エンスヘーデ(オランダ)=軍地哲雄】サッカーの日本代表は5日、世界ランク3位の強豪オランダ代表とアウェーで初対戦し、0―3(前半0―0)で敗れた。 W杯本大会出場を決めている格上のオランダに対し、世界ランク40位の日本は開始直後から素早いパス回しで相手陣内に攻め込み、守備陣も健闘した。 だが雨が激しく降った後半はミスが目立ち、逆にオランダにペースを握られた。69分にCKからつながれて最後はファンペルシーに先制点を奪われると、73分にもスナイダーにゴール正面からミドルシュートを決められた。日本はさらに87分に、途中出場のFWフンテラールにダメ押し点を奪われ、完敗を喫した。 日本は9日にオランダ国内で、世界ランク32位のガーナと対戦する。
残り25分、連係崩れ失速残り25分から3失点。得点差より失点の時間帯が、世界と戦う上での日本の課題を浮き彫りにした。 序盤は、ペースを握った。連動してのプレスでボールを奪い、素早く相手ゴールに迫った。ピッチの中村憲も「オランダは泡を食っていた」と感じていた。15分過ぎには、長友の左クロスに玉田が飛び込んだ場面など、立て続けに好機をつかんだ。だが、決めきれないままに前半を折り返すと、交代枠を使って攻勢に出た相手の圧力に、じりじりと後退を余儀なくされる。 69分、CKからパスを回され、ついにファンペルシーにけり込まれて失点。それまで持ちこたえていただけに、「ショックはあった」と中沢。そうした気持ちの揺れを、百戦錬磨のオランダが見逃すはずはない。 73分には中沢の詰めが甘く、スナイダーにミドルシュートを決められる。象徴的だったのはとどめの3点目。左サイドからクロスを直接合わされたが、クロスを上げたエリア、合わせたフンテラールにも日本はマークにいっていた。 しかし、時間の経過につれ、選手同士の動きにずれが出始め、相手に厳しく寄せることができなくなっていたから、技術の高い相手には簡単に決められてしまった。「気がつくと、3点取られていた」と闘莉王。スタミナが切れたというよりも、試合途中から徐々に一体感が失われたために招いたといえる完敗だった。 「(前半の戦いを)90分続けなければ、(世界の強豪には)勝ち目はない」と岡田監督。少なくとも、W杯までのテーマが一つ、明確になった。(軍地哲雄) ■空回り本田 オランダ1部リーグでプレーする本田は後半からピッチに入り、地元ファンから大きな拍手を浴びた。しかし、気合が空回りしたのか決定的な仕事はできず、「(自分が)ゲームに入ってなかった」と振り返った。 ■足止まった内田 右サイドバックの内田は前半、世界屈指のドリブラー、ロッベンを止めるなど、オランダ攻撃陣とも互角に渡り合った。だが、後半途中からチームとしてプレスがかからなくなると、内田の足も止まり、簡単にクロスを上げられる場面もあった。内田は「相手はフリーにすると、精度が高かった」と世界トップクラスの底力を思い知った様子だった。 日本・岡田監督 「このぐらいの差というのは分かっていた。その差の中で別のストーリーがあったかも。(立ち上がりからの運動量と連動性が)今は90分もたないが、もたせるようにしないといけない」 中村俊 「崩さなくても得点してくるゴール前の強さを感じた。点を取られて、メンバーが代わり、連係がうまくいかずに運動量が減ってしまった」 日本サッカー協会・犬飼基昭会長 「(日本は)前半かなり良かったけど、後半に足が止まって完璧(かんぺき)にそこを突かれた。高いレベルを実感できたのが一番の収穫」 (2009年9月6日 読売新聞)
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