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レスリング女子48キロ級・小原日登美、五輪内定

女子48キロ級で優勝した小原(上)(22日午後4時56分、代々木第2体育館で)=冨田大介撮影

 レスリング・全日本選手権第2日(22日・代々木第2体育館)――ロンドン五輪代表選考会を兼ねて行われ、今年9月の世界選手権で優勝した女子48キロ級の小原(旧姓坂本)日登美(自衛隊)と、世界選手権2位の男子フリースタイル66キロ級の米満達弘(同)がともに優勝し、規定によりロンドン五輪代表に内定した。女子51キロ級でJOCレスリングアカデミーの宮原優(東京・安部学院高)が初優勝を飾った。

 追い続けてきた五輪切符が、ようやく手に入った。9月の世界選手権を制した小原が、全日本も優勝。ロンドン五輪のレスリング代表内定を勝ち取った。「本当にここまで来るのに長かった」と、夢を実現した30歳は喜びに浸った。

 世界女王の名に恥じない戦いぶりだった。3試合をフォールで勝ち上がった決勝は、若い登坂との対戦。元世界選手権覇者の山本美憂(白寿生科学研究所)を破った高校生をスピードとパワーで圧倒し、素早く背後に組み付いて得点を重ねた。1ポイントは失ったが勝負所は逃さずに勝利を挙げ、「前に出ることができたので次につながる」と手応えも課題も感じた決勝だった。

 世界選手権は、五輪階級ではない51キロ級で優勝を重ねた。五輪出場には妹・真喜子さんが戦う48キロ級か、最強女王の吉田沙保里(ALSOK)が君臨する55キロ級に挑むしかなく、北京の代表争いでは吉田に敗れた。

 一度は第一線を退いて指導者の道に進んだが、夢を捨てきれずに現役復帰。一度も五輪に出られないまま昨年引退した真喜子さんから、「私の階級で五輪に出てほしい」とバトンを受け継ぐと、8キロの過酷な減量からくる肌の乾燥や、関節の激しい痛みにも耐えてきた。

 「姉妹の夢がかなったけど、きょうはまだ通過点。妹に金メダルをかけてあげたい」。同じ青森県出身の伊調姉妹が注目を浴びてきた陰で、地道に夢を追ってきた姉妹の努力が報われた。(下山博之)

 ■山本美憂敗退も現役へ意欲

 元世界女王で、ロンドン五輪を目指し復帰した37歳の山本美憂(白寿生科学研究所)だが、48キロ級の2回戦で敗れた。「(復帰して)半年間練習して、体も戻ってきたので、やめるのはもったいない」と現役続行には意欲をみせた。

 【男子決勝】
◇フリースタイル▽55キロ級 湯元進一(自衛隊)2―1稲葉泰弘(警視庁)▽66キロ級 米満 フォール1ピリオド47秒 池松和彦(池松オリンピックレスリングアカデミー)
◇グレコローマン▽74キロ級 鶴巻宰(自衛隊)2―0福田翼(拓大)▽96キロ級 斎川哲克(両毛ヤクルト販売)2―0山本雄資(警視庁)▽120キロ級 新庄寛和(自衛隊)2―1前川勝利(早大)

 【女子決勝】
▽48キロ級 小原2―0登坂絵莉(愛知・至学館高)▽51キロ級 宮原2―1菅原ひかり(愛知・至学館高)

2011年12月23日  読売新聞)

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