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エントリーシートには、中学時代のエピソードを書いてもいい?

質問

 エントリーシートに書くのは大学生の時のエピソードだけにすべきと、ある人に言われました。私は中学・高校とがんばってきたことがあるし、それも今の私を形作る大事な経験だと思います。それでも中高時代の話は書いてはいけませんか?

回答

 中心はあくまでも大学時代に


 エントリーシートのエピソードは必ず大学時代のもので書き終えてください。どんなに中高時代にがんばった良い話があったとしても、そこで記述が終わってしまっては、大学時代を無為に過ごした学生ではないかと、あらぬ誤解を受けることになります。

 では、いつの時代から書き始めれば良いか。

 これについては人によります。中高から筆を起こしても良いですし、ケースによっては幼稚園や小学校から始めても構いません。ただし、それが許されるのは、幼いころから書き始めた場合のプラス面と、それによって書くスペースが足りなくなるというマイナス面を秤にかけて、プラスが大きいと判断できるケースに限られます。

 こんなエントリーシートを読んだことがあります。地方で育った女性で、幼いころから野山を駆け巡り、夏は近くの川で真っ黒になるまで泳ぎ、中高大学と常に運動部に所属して活躍してきたというのです。

 もちろん、この人の場合は運動部での活躍ぶりを書くだけでも十分なのですが、野山を駆け巡った幼少期の逸話が、読む側のイメージ形成に大きく寄与しています。単に運動部で活躍した元気ではつらつとした女性というだけでなく、天衣無縫、天真爛漫な雰囲気をよく伝えています。

 このように、現在の自分の魅力を補強するエピソードがあるのなら、たとえそれが幼少期のものであっても使ってみる手はあります。しかし、会社によっては自己PRの欄が小さいところもありますので、幼少期の話が中心となってしまい、肝心の大学生になってからの逸話が貧弱では、本末転倒ということにもなりかねません。

 エントリーシートは大河ドラマではありませんから、自分の身に起きたことをあれもこれもと盛り込む必要はありません。自分の伝えたいイメージ(例えば、根性がある、誠実である、課題の解決能力がある、など)を増幅するのに役立つエピソードに限った方が良いでしょう。「元気な自分」をアピールしたいのに「幼少期は病弱で……」などとイメージと反する話をわざわざ持ってくる必要はないのです。

 あくまでも小さいころの話は、現在の自分を飾るためのサブアイテムです。ですから、(自己PR欄の大きさにもよりますが)ほんの1、2行程度ですませる程度で十分だと思います。重要性から見れば、「幼少期<中学時代<高校時代<大学時代(現在)」となることは、十分に認識してください。特筆するようなエピソードがなければ、大学時代の話で終始しても、まったく問題ありません。


 回答者 原田康久
 読売新聞人事部次長(採用担当デスク)。エントリーシートの達人。


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2011年6月8日  読売新聞)
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