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12月解禁となり、不公平な採用活動が出てきたりしませんか?

質問

 インターンシップが不公平な形で始まってしまったのは残念ですが、本番の採用活動はどうでしょう? とても心配しています。(私大3年、男)

回答

 企業・大学任せでは苦戦、自ら情報収集・活動する人ほど有利に


 問題はそこですね。まだ今の段階では、何とも言えない部分もありますが、少し不安な動きはあります。

 そもそも今回の『倫理憲章』改訂は、大学側からの要望で始まったものです。学生が授業に出ないで就活ばかりやっているという危機感が、大学から産業界への要望という形で伝わり、始まりました。

 ですから、大学側は今回の『倫理憲章』改訂に大賛成と思いきや、実はそうでもないというのが実情のようです。

 その本心をのぞき見れば、大学生が12月まで就活できなくなり勉強に力を入れるようになるという理念は賛成。でも、その結果、自分の大学の学生が就活に出遅れるようなことになっては困る。つまり総論賛成、各論反対といったニュアンスです。

 大学の中でも、教授会を中心とする教育サイドと、キャリアセンターを中心とする実務サイドの意見もかなり開きがあるようです。

 ですから、12月以前にも自分の大学だけには企業を呼んで、学生と企業を接触させたいと望む大学はありますし、それに応える企業もいます。

 それは単に『倫理憲章』がなし崩しにされるだけかといいますと、実情はそう単純でもありません。インターンシップの時と状況は同じで、大学ごとの対応を迫られた企業は、どこも人的な余裕がありませんから、やはりなるべく偏差値の高いと言われる大学や、自分の会社に採用実績のある大学を選ぶことになるでしょう。

 そうしたターゲットから漏れる大学の学生は、やはり不利になるかもしれません。つまり、インターンシップでの不公平な動きは、就活本番でも再現されるかもしれないのです。

 みなさんの大学でも、12月まで学生が企業研究をできないことに少なくともキャリアセンターは危機感を持っています。

 キャリアセンターの職員からは、「こんな形で経団連が対応するとは思わなかった」「こんなに厳しいルールになるとは想定外だった」という声も聞こえてきています。特に、あまり芳しい就職の実績を残せていない大学では、危機感を強めているところもあるでしょう。

 しかし、その対応となると様々で、自分でどんどん企業研究に動くように指導したり、何とか企業の人にキャンパスまで足を運んでもらおうとしている学校もあれば、「12月までは動かないように」と学生を指導している学校もあるようです。

 とにかくみなさんの心構えとしては、今年は人任せ、大学任せ、企業任せにしていては、思わぬ苦戦を強いられることになるかもしれません。

 自分でどんどんと情報収集をして、積極的に活動した人ほど有利になると思います。

 それはある意味、就活の正しい姿で、そういう意味では新『倫理憲章』もすべてが悪いとも言えないかもしれませんね。


 回答者 原田康久
 読売新聞人事部次長(採用担当デスク)。エントリーシートの達人。

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2011年8月24日  読売新聞)
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