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成人式、初稽古、初詣控え…被災3県の正月

震災の犠牲者を悼み、黙とうをささげる福島県葛尾村の新成人ら(同県三春町で)=大原圭二撮影

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県では、人々が様々な思いとともに正月を迎えた。

 東京電力福島第一原発事故により全域が警戒区域と計画的避難区域に指定され、全村避難の状態が続く福島県葛尾村は2日、役場機能が移転した同県三春町内で一足早い成人式を開いた。

 震災の犠牲者を悼んで黙とうした後、新成人23人を代表して神奈川県内の大学に通う松本翔吾さん(20)が「明るい未来をつくれるよう社会で活躍し、恩返ししたい」と決意を述べた。避難先のいわき市から参加した会社員(19)は「葛尾村で開ければよかったが、みんなで集まれてうれしい」と話していた。

 津波で道場が半壊した岩手県宮古市の空手道場「有終会館」は2日、同市の景勝地・浄土ヶ浜で新春恒例の初稽古を行った。参加した道場生9人は全員、自宅を流されるなどの被害に遭った。参加者は、海に向かって一礼して下着姿で水に入り、気合を入れて突きを繰り返した。浜木有終館長(65)は「力強く生きていく年にしたい」と語った。

 一方、津波で被害を受けた宮城県南三陸町の上山八幡宮は、例年なら元日だけで約600人の初詣客が訪れていたが、今年は約60人に激減。町内には身内に不幸があると参拝を控える習わしがあるといい、工藤祐允宮司(75)は「震災の爪痕の大きさがわかる」と話した。同じ沿岸部の気仙沼市にある五十鈴(いすず)神社でも、元日の参拝客は昨年の元日より7割減の約1000人。石巻市の零羊崎(ひつじさき)神社も3割減の3000人だった。

2012年1月3日01時19分  読売新聞)

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