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公約実現へ課題山積…臨時国会召集後すぐヤマ場

 「鳩山首相」には、多くの課題が待ち受ける。

 「無駄遣いの根絶」と「官僚主導政治の脱却」を掲げる鳩山氏。最大の焦点は、衆院選の政権公約(マニフェスト)に掲げ、圧勝の原動力となった「子ども手当」や農家への戸別所得補償制度などをいつ、どうやって実現するかだ。秋に臨時国会が召集されれば、すぐにヤマ場が訪れそうだ。

 新規政策を「完全実施する」とした2013年度には、16・8兆円もの財源が必要だ。鳩山氏は30日夜のテレビ番組で「確かに実績はない。これからだ。マニフェストに示した形で必ず実現していきたい」と強調したが、具体的な道筋をこれまで明示していない。子ども手当などには子育て世代の期待感が高まっており、かけ声倒れや財政悪化に終わったりすれば、政権批判が噴出するのは必至だ。

 「国家戦略局」を設け、国会議員100人を政府に送り込む――といった政治主導の実現にも疑問の声がある。民主党には閣僚経験者が少なく、当選回数の少ない衆院議員が閣僚などに就いた場合、「手練手管にたけた官僚に対抗できるのか」と自民党は冷ややかだ。

 外交・安全保障も火種だ。民主党は政権公約で「緊密で対等な日米関係」をうたい、日米地位協定や米軍再編の見直しを掲げる。だが、これまで培ってきた日米同盟を軽んじて日本の安全を守るのは困難だ。「現実路線を歩まざるを得なくなる」(外交筋)と「ぶれ」を予測する向きも少なくない。

 また、連立協議を行う社民党は、自衛隊の海外派遣を「派兵」と断じており、外交・安全保障政策をめぐる調整の難航が予想される。

 一方、鳩山氏個人をめぐっては、資金管理団体に関する政治資金収支報告書の虚偽記載問題がくすぶる。衆院選後に捜査が進むとの見方もあり、自民党が追及を強めてくるとみられる。捜査の行方次第では、「鳩山首相」の今後に影を落とす可能性もある。

2009年8月31日06時47分  読売新聞)
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