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首相「満願」勝利の余韻、民主は悲壮「分裂避けたい」

 自民党の圧勝という歴史的な衆院選から一夜が明けた。予想以上の大勝に勢いづく自民党、惨敗にぼう然自失の民主党——。

 白熱した選挙戦は、勝者と敗者の明暗をくっきりと分けた。

 小泉首相は12日午前10時半前、首相官邸に出邸した。すっきりした表情で、記者団が「おはようございます」と声をかけると、「おはよう」と手をあげて応えた。

 自民党内では、勝利の余韻がさめやらない。

 武部幹事長は12日午前、「『新しい自民党』に対する期待、『小泉改革チーム』に対する信頼が非常に大きい」と記者団に強調。比例東京ブロックで、大量得票のため自民党の名簿登載者が不足し、みすみす8人目の当選者を社民党に明け渡した異例の事態について、「予想を超える支持をいただいた。残念であるが、重く受け止めてやっていかなければならないと思う」と複雑な表情を見せた。

 小泉首相の求心力は、かつてないほど高まっている。

 「(主張が)分かりやすく、有権者の皆さんが参加できた」。伊藤公介・元国土庁長官は12日朝のテレビ番組で、郵政民営化の是非一本に争点を絞った首相の戦略が勝因だと分析した。

 衆院選を実務面で仕切った二階俊博総務局長も、「首相のリーダーシップで大きく得票が増えた。女性候補は26人全員が当選した。首相の功績は大きい」と首相の手腕を褒めちぎった。

 一方、60議席以上を減らし、岡田代表が辞任を表明した民主党には、悲壮感も漂う。

 「ぐったりと疲れちゃった。とにかく党の態勢を立て直すしかない。2大政党制で1党だけが沈むようなバカなことはない」

 羽田元首相は12日午前、党本部で記者団に語った。

 菅直人・前代表は12日午前のテレビ番組で、「試練の時だ。今までは、追い風の中で都市部で通ってきた議員が多かったが、今回、冷や水がかかった」と述べた。若手からは、「今は何も考えられない」「とにかく党の分裂は避けたい」との声が相次いだ。

 「より魅力ある政党になるため神様が時間を与えてくれたと思って、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)するしかない」

 玄葉光一郎選挙対策委員長は厳しい表情で語った。

2005年9月12日13時51分  読売新聞)
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