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最新ブラウザーの選び方は?

 次々にバージョンアップするブラウザーソフト。軽快で使いやすいブラウザーソフトを教えてください。

最新版のブラウザーなら、軽快さはほぼ横一線です。ただしIE9はXPでは使えないため、その他のブラウザーを使った方が動作は軽快。IE以外は同期機能も充実し、複数台でお気に入りなどを連携できます。

図1:2011年4月に正式版がリリースされたIE9。操作画面をシンプルにして、処理性能の高速化を図った最新版となるXPはサポートせず、対応OSはVistaと7のみ
図2:11月9日にFirefox 8にバージョンアップ。Twitter検索機能などが追加された。機能を強化する「アドオン」(拡張機能)が豊富なのが特徴
図3:グーグルが開発している「Chrome」。軽快に動作できるようにと、シンプルな作りになっている。IEやFirefoxにある、サイドバー表示といった機能はChromeでは使えない
図4:MacOSでは標準となっているブラウザーソフト。描画エンジン(ウェブを表示する要の部分)には、Chromeと同じWebkitが使われており、こちらも軽快に動作する
図5:本社がノルウェーという北欧発の多機能なブラウザーソフト、Opera。国内では、KDDIなどの携帯電話に搭載するフルブラウザーのベースにもなっています
図6:Lunascapeは、IE、Firefox、Chromeという3大ブラウザーの描画エンジンを利用できるのが特徴
図7:Sleipnirは、IEの描画エンジンを利用。独自に同期機能などを設けている
図8:上の画面は、Lunascapeの基本設定画面。このように、利用する描画エンジンを選択できるようになっている
図9:Firefoxには「Firefox Sync」という同期機能を用意。お気に入り(ブックマーク)や登録したパスワード、閲覧履歴などを同期できる
図10:Chromeの同期機能「Chrome Sync」。こちらはGoogleアカウントを使って、ブックマーク、パスワード、履歴、設定のほか、テーマや拡張機能なども同期する
図11:Operaも「Opera Link」という同期機能を用意。アカウントを作成すると、ブックマークや設定からスピードダイヤルやメモといったものまでを、パソコンやモバイル端末と同期する
図12:アイフォーンやアイパッド向けのOSの最新版、iOS5から採用された新機能「iCloud」。Vistaと7では、iCloudのソフトをインストールすることで、SafariやIEのお気に入りをアイフォーンなどと同期できるようになった
図13:図12でSafariとのブックマークの連携機能を有効にすると、Safariのブックマークが同期。 さらに左上にあるメガネアイコンをクリックすると、開いているウェブを「リーディングリスト」に登録でき、無線LAN経由でアイフォーンと同期する
図14:アイフォーンのSafariを起動して、ブックマークのリーディングリストを開くと、図13で登録したウェブページが表示される
図15:「SunSpider JavaScript Benchmark」という計測サイトを使って、JavaScriptの処理能力を測定した。テストでは5回計測して、平均値を求めている
図16:実際のウェブ表示時間を示したのが上の表。キャッシュをクリアした状態でYomiuri Onlineのトップページを開き、読み込みが終わるまでを手動で計測した。こちらも5回計測した平均値となる
図17:インターフェースが大きく変わったIE9。シンプルになりすぎて使いにくいという人は、他社のブラウザーも導入してみよう

 ウェブページの閲覧に欠かせないブラウザーソフト。よく使うソフトだけに、使い勝手が良く、動作も軽快なものを選びたいものです。今回は、ウィンドウズ標準の「Internet Explore」(IE)を始め、着実にシェアを伸ばしている「Firefox」「Chrome」「Safari」「Opera」といったブラウザーソフトなど、IE以外の注目ブラウザーを紹介します。

最新IE9とその他の主要ブラウザー

 まずは、ブラウザーの現状をみていきます。最も利用されているブラウザーは、マイクロソフトが開発したIEです。ソフトのバージョンはOSのバージョンとともに上がっていき、現在の最新版はIE9となっています。ただし、IE9に対応しているのはVistaと7のみ。XP以前のOSでは、一つ前のIE8までしか使えません(図1)。

 根強いIE人気の中、着実にシェアを伸ばしているのが「Firefox」(ファイアフォックス)と「Chrome」(クローム)です(図2、図3)。Firefoxは、「アドオン」(拡張機能)と呼ばれる追加機能が豊富なことから、自分仕様にカスタマイズしたいというユーザーに人気があります。一方のChromeは、検索サービス大手のグーグルが2008年9月に公開したブラウザーです。動作の軽快さや表示速度の速さが注目され、一気に広まりました。

 このFirefoxとChromeに続くのが、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末向けでもおなじみの「Safari」(サファリ)と「Opera」(オペラ)です(図4、図5)。Safariはアップルが開発し、MacOSやiPhone、iPadの標準ブラウザーとなっています。Operaは、携帯電話向けのフルブラウザーソフトとして名前を聞いたことがある人も多いと思います。パソコン向けも歴史が古く、画面内によく見るウェブのショートカットを登録できる「スピードダイヤル」など、他社に先駆けた機能などにいち早く取り組んできました。

 このほか、国内では「Lunascape」(ルナスケープ)、「Sleipnir」(スレイプニール)などがあります(図6、図7)。この二つは国内で開発されていることと、IEなどの描画エンジンを利用することが共通点。つまり、表示の仕組みはIEそのままに、ソフトの機能や外観だけをカスタマイズしたブラウザーといえます(図8)。

端末間の同期機能が魅力

 IEと、その他のブラウザーで大きく違うのは「同期」機能です。ビジネスパーソンなら自宅で使うパソコン、会社で使うパソコンなど、複数台のパソコンを利用する人が増加しています。また、スマートフォンが普及してきたことで、自宅や会社のパソコン同様に、モバイル端末からウェブを見たいという需要も高まってきました。

 こうした端末間の同期、連携機能がIE以外のブラウザーには用意されています。Firefoxの「Firefox Sync」、Chromeの「Chrome Sync」、Operaの「Opera Link」といった機能です(図9〜11)。同期機能を有効にすると、パソコン間でお気に入り(ブックマーク)や各種設定を同期できます。FirefoxとOperaは、アンドロイド用の同ブラウザーソフトとも連携ができます。

 Safariの場合は、パソコンとの同期機能はありませんが、「iCloud」(Vistaと7のみ)というクラウドサービスを介して、お気に入りや後で読みたいと思った記事を登録しておく「リーディングリスト」を同期できるようになっています。(図12〜14)。パソコンを2台以上使っている人、スマートフォンやタブレット端末を使っている人は、こうした連携機能にも注目してみましょう。

現時点での最速ブラウザーは?

 ブラウザーを使っていて不満に思うこと――。それは動作の遅さです。パッとウェブが表示され、サッと内容を確認できることが求められます。ウェブの表示速度は、ウェブを置いているサーバーの状況、利用している通信回線の速度などによっても変わってきますが、その他にもブラウザーの種類やバージョンによっても変わってきます。

 なぜなら最新のブラウザーは、動作の軽快さに重点を置いて開発されているからです。歴代のIEを見ても分かるように、Vista標準でタブ機能が追加されたIE7は動作が遅くなりました。結果、IEから他のブラウザーへ移行する人が増えました。そこでマイクロソフトは、動作の軽快なIE8を開発、しかし、さらに軽快なChromeが登場したことで、まだ満足できるほどではありませんでした。そして今年4月にリリースされたIE9では、Chromeに肩を並べるまでに高速化されました。

 高度なウェブページの動作させる仕組みの一つ、「JavaScript」の処理能力を計測サイトで調べてみると、IE8からIE9へのバージョンアップにより4837.7ms(ミリセカンド)から255.9msへと、大幅に速度が向上していることが分かりました。他のブラウザーでも同様に計測してみるとFirefoxが304.9ms、Chromeが298.4ms、SafariとOperaが301.1msとなり、IE9が最速のブラウザーという結果になりました(図15)。

 実際にウェブページの表示速度ではどうか。Yomiuri Onlineのトップページを読み込む時間を各ブラウザーで計測したところ、IE8が7.7秒、IE9が6.3秒、Firefoxが7.2秒、Chromeが5.8秒、Safariが6.3秒、Operaが7.3秒となりました(図16)。わずかな差ですがChromeが最速。次いでIE9とSafariという順位に。

 この結果から、IE9を使えないXPで軽快なブラウザーを使いたいなら、IE8ではなくChromeを使った方が快適。Vistaや7の場合は、現在IE8を使っている人はIE9に変更することで、ほぼ最速のブラウザーになるといえます。

 ただしIE9は、URLアドレス欄と検索欄が統合され、操作ボタンが簡略化されるなど、見た目が大きく変わってしまいました(図17)。特に右上に検索欄が欲しいという方は、Firefoxなどのブラウザーを併用するのも手でしょう。今回はIE8を除くと、ほぼ横並びという結果になりましたが、ブラウザーの開発競争は続いています。今後も軽快で使いやすいブラウザーを使いたいなら、最新のブラウザーを常に導入していくことが求められそうです。(テクニカルライター・原 如宏)


関連サイト
▼Firefox
http://mozilla.jp/firefox/

▼Chrome
http://www.google.co.jp/chrome/

▼Safari
http://www.apple.com/jp/safari/

▼Opera
http://jp.opera.com/

▼Lunascape
http://www.lunascape.jp/

▼Sleipnir
http://www.fenrir.co.jp/sleipnir/

2011年11月14日  読売新聞)
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