ぜいじゃくせい【脆弱性】
絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ
デジタル専門用語というわけではありませんが、セキュリティー関連の話題によく登場する言葉が脆弱性ですワン。
通常の日本語で使う場合は弱いこと、もろいことなどの意味を持ちますが、コンピューター関連の話題ではソフトウエアやシステムになんらかの欠陥があって、外部からの攻撃を受けたときにセキュリティーが破られやすい部分のことです。欠陥やミスがなくても、想定外の使われ方や攻撃をされたときに弱い部分のことも脆弱性といいます。
たとえばソフトウエアがリリースされる前、メーカーは開発中のソフトをユーザーに無償試用してもらうなどして、念入りにテストを繰り返して欠陥の有無をチェックします。しかし、どれだけ万全を期して世に送り出しても、なにかしらの欠陥が残ってしまうものなのですワン。なかなか完璧な状態でリリースされるソフトウエアはありません。その脆弱性となる欠陥が悪意あるユーザーに発見されると、標的として狙われてしまうわけです。が、たいていの場合は脆弱性が見つかったらすぐに修正用のプログラムが無償で提供されます。
最近のソフトウエアはネット接続していると自動的に修正プログラムをダウンロードするものもあるので、自力でチェックするのが面倒な人はこの手の機能を活用しておくと安心ですワン。
また、脆弱性のことをバルネラビリティーと言うこともあります。これは英語で同じ意味を持つ「vulnerability」をそのままカタカナにしたものです。ワンワン。
(2011年9月15日 読売新聞)