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入居企業向け環境整備

平野文尉さん(森ビルマーケティング室課長)

「アークヒルズ フロントタワー」の屋上で栽培中のブドウに手を伸ばす。「くつろぎの場になればうれしい」(東京都港区で)=中嶋基樹撮影

 東京の六本木ヒルズにある超高層ビル「森タワー」に本社を置く森ビル。同社マーケティング室課長の平野文尉さん(42)は、同社が建設したビルに入居する企業向けに、ビルで快適に働ける環境整備などを手掛ける。企業約600社、約4万人の従業員らが顧客だ。

 「入居した企業のなかには福利厚生などの整備が十分でないところもある。働く人にオフィスライフを楽しんでもらいたい」

 2月に同社が東京都内に完成させた複合ビル「アークヒルズ フロントタワー」(地上22階建て)もそのひとつ。フードサービス会社が本社を構えた。

 このビルの環境整備に自らも知恵を絞った。ビルのエントランスフロアには心和む、種子をイメージしたオブジェや大空の絵画を飾った。ユニークなのが屋上。芝生を植えブドウを栽培する開放的な緑化空間を整備。バーベキューの道具を用意し、入居する企業がいつでも使えるようにした。

 「気分転換したり、ちょっとした仕事や打ち合わせの場に活用したりしてもらえれば」

 これまでに、ビル周辺の飲食店などの割引優待サービス、フットサルや駅伝などのスポーツイベントも手掛けた。企業を訪れ、取り組みの周知にまわっている。スポーツイベントに参加した企業からは「日々の業務にもプラスになる」「社員のコミュニケーションが深まった」と好評だ。

 苦心するのは社内の各部署や他業者との調整や合意形成という。コスト・収益面で必要かどうかの議論がつきまとう。「なかなか成果が見えにくく心が折れそうになることもありますが、企業からお褒めの言葉をもらえるのがやりがい。企業の生産性の向上につながればうれしい」

 3月の東日本大震災後、オフィスビルの市場動向を調査したところ、都心の需要が引き続き高いことを感じた。「入居した企業と一体となって、地域のにぎわい創出にも貢献したい」(岩浅憲史)

◇週末 東京マラソン初参加で完走

 約9年前、ダイエットのためランニングを始めた。同僚に呼び掛け、仕事の後、皇居周辺のランニングを楽しんだり、駅伝大会に出場したり=写真=。昨年、念願だった東京マラソンに初めて参加。4時間28分で完走した。

 週末になると、近所で1時間程度のランニングを楽しむ。「走りながら仕事の反省をしています」。事業の説明でどうして周囲にうまく伝わらなかったのか……。走っていると解決策が浮かんでくるという。「ランニング後にはすっきりでき、新たな気持ちで仕事に取り組めます」

 趣味が高じて、2年前、顧客の社員向けに駅伝大会を企画した。当日、会場の設営や受け付けを慌ただしくこなし、参加者と交流を深めた。走ることが仕事にも役立っている。

海外旅行の際、本屋で購入した街の写真集。「ビルオタクなんです」
車は手放し自転車を愛用している。休日は妻とサイクリングを楽しむ

 
【月曜】
 8:30 社内で各部署との会合
12:00 設計部とランチミーティング
17:30 既存物件のリニューアルプロジェクトの説明会

【火曜】
15:30 オフィスビルへのアンケート調査の企画会議
16:30 オフィス営業部と情報交換
19:00 六本木ヒルズでセミナー「強い組織を作る」を受講

【水曜】
14:00 顧客の企業を訪問、新規プロジェクトの説明会に同席
16:00 オフィスワーカー向けイベントの企画会議
19:00 社外の友人と懇親会

【木曜】
10:00 副社長に業務報告
11:00 オフィス家具メーカーと打ち合わせ

【金曜】
14:00 設計部と虎ノ門・六本木地区の新規プロジェクトの打ち合わせ

【土曜】
 7:00 近所でランニング
14:00 両親を招き自宅で食事会

【日曜】
12:00 近所のイタリアンレストランで妻とランチ
15:00 自転車で妻とカフェ巡り
19:00 帰宅、妻と一緒に夕食作り

ひらの・のりやす
 1969年さいたま市生まれ。中央大学理工学部電気電子工学科卒業後、92年森ビルに入社。内装部、六本木六丁目再開発事業推進本部などをへて、2010年から、営業本部マーケティング室オフィスグループ課長。
2011年9月13日  読売新聞)

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