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「きびそ」でバッグを作ろう! 番外編 鶴岡市ってどんなところ?

 「きびそプロジェクト」の舞台が、山形県の鶴岡市です。「きびそ」に親しみをもってほしいと、山形支局の田代健一郎記者から鶴岡便りが届きました。

鶴岡市って、どこ?

木漏れ日がまぶしい羽黒山の参道
酒井家18代当主・酒井忠久さん
開墾の歴史を伝える「松ヶ岡開墾場」
きびそ製品を展示販売している記念館の敷地内にある「待(まち)カフェ」

 日本地図から山形県を切り取ると、「左を向いた人の顔」の形をしています。鶴岡市はその”鼻と上唇”にあたります。面積は約1300平方キロ、人口は約14万人(7月末現在)。2005年に周辺町村と合併して、東北地方で最大の面積を持つ市になりました。

 水田が広がり、日本海の磯と砂浜があり、深い森林と四季折々の山の幸もある。豊かな日本の風景が、すべてそろっている土地だと感じます。

観光スポットは?

 古代の山岳信仰から廃仏毀釈、現代の「パワースポット」まで、日本の宗教史が折り重なったような「出羽三山」(月山、羽黒山、湯殿山)が全国的に有名で、多くの参拝客が訪れます。

 近年では、世界で最もクラゲの展示種類数が多い「加茂水族館」、市出身の時代小説作家・藤沢周平の功績を伝える「藤沢周平記念館」、映画「十三人の刺客」などのロケ地を見学できる「庄内映画村オープンセット」などが注目されています。

どんな歴史があるの?

 鶴岡市は江戸時代、庄内藩の城下町として、酒井氏のもとで発展してきました。領主と住民の結束は固く、江戸中期に酒井氏が領地を替えられそうになると、多数の農民が死罪覚悟で江戸に出向き、撤回を訴えたほどです。酒井氏の子孫は、いまも鶴岡在住。18代当主の酒井忠久さんが、地域の歴史を伝える「致道博物館」の館長として、現代の鶴岡を見守っています。

 戊辰(ぼしん)戦争では幕府側についたため、一時領地を没収されましたが、西郷隆盛の配慮もあり、明治初期に酒井氏は庄内藩に復帰しました。このため、鶴岡市の一部では今でも民家に西郷隆盛の肖像を飾り、敬っています。

刀をくわに持ち替えて

 鶴岡市周辺の養蚕業の歴史は、明治時代初期までさかのぼります。

 江戸時代、庄内藩のもとにあった鶴岡市は、明治維新に伴って大量の武士が職にあぶれる事態となりました。そこで藩の幹部が部下の転職先として注目したのが、当時、輸出品として政府が奨励していた絹でした。

 「産業を興すことが、国の発展につながる」として、旧藩士は郊外の荒れた丘陵だった旧羽黒町の松ヶ岡地区で大規模な開墾を行いました。約3000人の旧藩士が、約300ヘクタールもの桑畑を造成。蚕を育てて糸を得るため、2階建ての大きな建物に、小さな高窓がついた「蚕室」も数多く作られました。大正時代には住民の7割以上が養蚕や織物業に従事し、地域の産業の基盤になっていたといいます。

 しかし、蚕の幼虫は薬品に非常に弱く、桑の葉についたわずかな農薬でも死んでしまいます。農薬を使用する柿などの果樹が普及すると、桑の葉を育てることができません。安価な輸入品にも押され、現在、地域の養蚕農家はわずか1軒となってしまいました。

「シルクタウン・プロジェクト」

 それでも、山形県の庄内地方は養蚕から製糸、縫製、販売まで、絹織物製造の工程がすべて残っている、全国でも非常に珍しい地域です。かつて栄えた養蚕業を途絶えさせてはならないと、市などは昨年、「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」を発足させました。

 元養蚕農家が幼稚園や小学校に蚕の幼虫を配って授業の教材にしたり、高校生が地元の絹でドレスを作ってファッションショーを開いたり・・・。新たに桑の苗木を植えるなど、プロジェクトの応援団「繭人(まゆびと)」も70人を超え、少しずつですが、再び鶴岡に「絹の街」の意識が根付きつつあります。

 かつて養蚕の中心となった松ヶ岡地区には、かつての開墾の歴史を伝える「松ヶ岡開墾場」が整備されています。記念館の敷地内にある「待(まち)カフェ」では、鶴岡産シルクや「きびそ」を使ったストールやブックカバー、ネクタイなどが販売されているほか、ごわごわした「きびそ」の原糸も展示されています。鶴岡観光の折には、ぜひ訪れてみてください。

◇ ◇ ◇

 発言小町で、ミントデザインズのデザインについて、ご意見を募集しています。
⇒【小町ラボ】「きびそ」バッグの機能についてご意見募集!

 ファッションブログでも関連記事が読めます。
⇒「きびそ」の企画を思い立った理由
⇒カイコとの出会い
⇒鶴岡市ってどんなところ?

【関連記事】
「きびそ」でバッグを作ろう! 第1回
「きびそ」でバッグを作ろう! 第2回 「きびそ」の町へ行ってきました(上)
「きびそ」でバッグを作ろう! 第3回 きびその町へ行ってきました(下)
「きびそ」でバッグを作ろう! 第4回 「きびそ」プロジェクトの仕掛け人
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「きびそ」でバッグを作ろう! 第8回 縫製工場が決定
「きびそ」でバッグを作ろう! 第9回 プリント柄が決定!


【2011-12秋冬コレクション】
ミントデザインズ

2011年9月30日  読売新聞)

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