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「大切な人への手紙」最優秀賞が決まりました!

 「お兄ちゃんの頑張る姿を見て、手紙を書こうと思いました」

「お母さんに手紙をください」大手小町編集部/編 飛鳥新社/ 1000円

 発言小町の本「お母さんに手紙をください」の出版記念企画「大切な人への手紙」コンクールの最優秀賞は、千葉県柏市立第二中学校2年、成沢希望さん(13)の「兄ちゃんへ」に決定しました。

 たくさんの手紙のご応募、ありがとうございました。

 希望さんの兄、未来さん(24)は、先天性脊髄髄膜瘤という難病を抱え、病気と闘いながらも、歌人として活躍しています。希望さんは「お兄ちゃんの影響で文章を書くのが好き」になったそうです。応募した手紙は、夢に向かって勉強に励むお兄さんの姿を見て、書こうと思い立ちました。

 希望さんは本を読むのが大好きで学校の作文も得意ですが、コンクールに応募したのは初めて。最優秀賞に選ばれた知らせに、お兄さんも「よくやったな」と喜んでくれたそうです。

最優秀賞


「兄ちゃんへ」成沢希望(千葉県柏市)

 頑張る兄ちゃんへ。寝苦しい夜が過ぎて、やっと眠れそうな朝方、兄ちゃんはようやく机から離れてベッドに入り込むんだな。昨日はごめんよ! オレ、兄ちゃんを馬鹿にしたんじゃないんだ。ただ、兄ちゃんは何もしなくて良いんだよ。足も手も不自由だから、兄ちゃんが夕飯の用意をするのは、とても見ていられないんだ。わずかな距離を、兄ちゃんは食器をおぼんに乗せて少しずつ、少しずつ押しながら進む。そして、軽いものは口にくわえて這いながら運ぶ。「兄ちゃんそこまでするな、犬みたいだ」。思わず言ってしまって、兄ちゃんを見るとどうしようもないほど寂しい顔をした。オレ、本当に悪気があったわけじゃないよ。でも、兄ちゃんは苦しかったんだね。少しでも役に立ちたくて、一生懸命ご飯の用意をしたんだ。

 人の何倍も努力して、寝る間も惜しんで勉強する。十三回も手術に耐え、小中学校もまともに行っていない。「勉強すれば、必ず夢は叶う」と言っていた兄ちゃん。兄ちゃんは立派な人になるよ。オレには分かっている。

 兄ちゃんの作ってくれたサンドイッチは、不恰好だな。みんなで笑って、兄ちゃんのサンドイッチを食べた。オレも笑って、その後泣いて。みんなも笑って、兄ちゃんも笑って、そしてみんなも泣いて。泣き虫家族は兄ちゃんの応援団だってこと兄ちゃんは分かっているんだね。それで、いつも頑張って自分のできることをするんだ。兄ちゃん、オレは兄ちゃんを馬鹿にしたんじゃないんだ。

 末っ子の希望より

◇ ◇ ◇

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2011年10月14日  読売新聞)

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