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子ども
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コミュニケーション〈18〉無視されても話しかけ

質問

入った高校をすぐ退学し、外にも出ません。(10代女子の母)

回答

 メールでの相談は次のように続きます。外に出ないばかりか、父親やほかの家族と顔も合わせない。再三の話し合いも効果なく、「暗いトンネルに入って抜け出せない。疲れて消えてなくなりたい」と。

 今月4日の小欄で取り上げた「親の財布からの盗み」を読み、「うちの子も」と書き起こしたメールでした。思いつめる悲嘆の裏には、「以来、娘を疑いの目で見るようになった」という自責や後悔の念もあるようです。

 これに対し、「お母さんはよく頑張っている。さぞ疲れたでしょう」と言うのは、関西学院大学の横山利弘教授(道徳)。過去の行動を悔いるのも、疲れゆえの神経過敏ではと推測します。その上で「これからは父親の出番。子どもの相談相手に」と助言します。

 ただその前に、まず夫婦できちんとした合意が必要といいます。「焦らない」「この子は自分の道を見つけて歩いていける、と信じる」――の2点です。両親が足並みそろえて「応援しているよ」と伝えるのが重要だからです。

 同時に、「あるべき姿」を押しつけてこなかったかを振り返ること。子どもの道と親の理想は違って当たり前。うわべだけ取り繕う親の本性を、子どもは敏感に察知するのだそうです。

 最初からうまくはいきません。無視されても話しかけ、時に子どもの好物をみやげに持ち帰ったりする。「根気が要るけれど、いつか通じます」。そう言う横山さんの作戦を実践したある高校中退者は、高卒認定試験(旧・大検)を経て大学に進み、引きこもりも解消しました。「温かいすみかがあれば、安心して出て行けるのです」

 出口のないトンネルなど、ありません。さあ、ご夫婦で前へ。(松本美奈)

2011年3月18日  読売新聞)

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