(13)本は心の逃げ場かも
休み時間、いつも1人で本を読んでいるようです。(小4女子の母)
授業が終わるとすぐ、ほかの子は教室から飛び出していくのに、うちの子だけなぜ? 授業参観で目にした我が子の姿に不安が募り、「いじめではない」と確認できても、まだ心配。つい「本ばかり読んでいないで、みんなと遊びなさい」と言ってしまいます。
自然な親の気持ちですが、「無理に何とかしようというのは、どうでしょう」と東京学芸大学の岩立京子教授(臨床心理学)。特に本を取り上げるのは考えもの。子どもにとって、もしかしたら、気持ちの逃げ場かもしれないからです。
小4の頃の女の子は、タレントのファンになったり、おしゃれに夢中になったりと、急激な変化を迎える時期。そして「徒党を組む」のもこの頃だそうです。
みんなの輪の中に入ってみたい気持ちはあるけれど、話題にはついていけない。「苦しいし、居場所がないから本を読んでいる」可能性があるからです。
子どもは日々成長します。その過程で、どこかで友だちに出会える日が来る。今は「外で遊ばなくていいの?」と声をかけつつ様子を見ていたら、とのことです。
内面にも心配りしながら子どもを見守る。親は、難しいです。(松本美奈)
(2011年7月8日 読売新聞)
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