(19)かっとなったら「聞く」
ついたたいてしまい、いつも自己嫌悪です。(小5男子の父)
ささいなことなのに、注意すると口ごたえ。反抗的な態度に頭に血が上り、手を上げる。泣き顔を見てはっと我に返り反省するも、時すでに遅し……。思わずうなずいてしまう親御さんは少なくないでしょう。
分かっちゃいるけど、の典型例ですが、関西大学の杉本厚夫教授(社会心理学)もやはり「かっとなってたたいても、親の思いは通じませんよ」と指摘します。なぜ叱られたのかを理解する前に、怖さだけが残り、子どもが心を閉じてしまうというのです。
では、かっとなる→手を上げる、という連鎖を抑える方法は? 「徹底的に聞くことです」。なぜこんなことをしたのか。それについてどう思うか。責め口調ではなく、淡々とただします。
その際、気をつけることは、今を聞く姿勢を保つこと。今までこうだったなどと過去をほじくらず、現在の子どもの言葉を聞くのが大切だそうです。しばらくすれば冷静さを取り戻せる上に、親が自分を理解したがっているという思いも伝えられるからです。
自己嫌悪は愛情の証し。親子の明日のために生かしたいものですね。(松本美奈)
(2011年8月26日 読売新聞)
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