(20)心を育てる契機にしたい
友だちのいたずらを注意できずに悩んでいるようです。(小3男子の母)
浮かない顔で帰宅。理由を聞くと、友だちがほかの子の物を隠すのを見て見ぬふりをしていたと打ち明けてくれました。「あなたもいけない。注意しなさい」と言いたいが、下手に介入するといじめを招きかねない。悩みますね。
関西学院大学の横山利弘教授(道徳)によると、親に打ち明けるのは、発達段階相応の行動だそうです。
例えば、教室のガラスが割られた時、“犯人”が誰かを告げに職員室に来るのは小学1、2年。3、4年になると、担任がいくら尋ねても下を向いて黙る。友だち関係が最優先で、告げ口はそれを壊すと認識する年頃だからです。でも、黙ったままでは苦しいから、信頼できる母親には伝え、助けを求めるのです。
では、親はどうすればいいのか。まず、打ち明けたことを褒めましょう。そして、「注意しなさい」などと強制せずに、「何とかしなきゃね」と言い、この後どうするかは子ども自身に考えさせるのです。一方で担任の先生にはこっそり伝え、事態の処理を頼んでみましょう。
大人の正義感を振り回さず、子どもの成長を見守る。じっくり心を育てる契機にしたいですね。(松本美奈)
(2011年9月2日 読売新聞)
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