(22)両親の言動原因の場合も
食べ残しの弁当が、子ども部屋から出てきました。(高1男子の父)
夫婦共働き。忙しい中、必死に交代で弁当を作っているのに、食べ残して放っておくとはショックですね。第一、不衛生です。
「同情します」と、日本大学の広田照幸教授(教育社会学)。一方で「しばらく様子を見てはどうでしょう」と助言し、引用したのが、フランスの思想家ルソーの教育論『エミール』の一節です。
子どもが感情任せに窓を割り、寒風が吹き込んでも、怒ったり指導したりせず、そのままにしておけ、というのです。理由は、寒さを体感することで自らの行為を反省するからだと。
そもそも思春期は、親の思う通りにならない時期。「例えれば、ゴキブリなら我慢する、ネズミが出たら家族会議を開く、ぐらいの
ただし、子どもの行動が両親の意見の相違による場合もあります。母は「弁当は平らげるべきだ」と考えているのに、父は「無理しなくても」と伝えていたりすると、板ばさみになって弁当箱を隠すような事態になるわけで、調整が必要です。
ささいな問題行動が、家族のすれ違いを修正する格好の糸口になるかもしれませんね。(松本美奈)
(2011年9月16日 読売新聞)
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