(24)突き放さず提案する
ささいなことでも「○○していい?」と聞いてきます。(小3男子の母)
「テレビ見ていい?」「遊んだらダメ?」――いちいち許可を求めてくる子どもに、厳しくし過ぎたかもしれないと反省しつつ、度重なれば、「そんなこと自分で考えてよ!」。突き放したくなる気持ちは分かります。
これに対し、「ちょっとだけ、一緒に考えてあげて」と助言するのは、東京学芸大学の岩立京子教授(臨床心理学)。小3は親の価値観を取り込む時期で、そこで得たものは、長い人生を支える判断基準の基礎になります。単に突き放すのは得策ではないそうです。
ただし、「いつも正解を言う必要はありません」とも。反道徳的な、また危険な行為は論外として、多くの場合、「○○もいいけれど××もいいね」など提案型の対応がお勧めといいます。一つの物事にも多様な対処法があるのを伝える好機でもあるからです。
その後に大切なのは、子どもが出した結論を否定しないこと。試行錯誤の末に判断基準を身につけ、やがて自信につながっていく。否定はその道を阻みます。
子育ての基本は長い目。将来を見据えて、いま何をするかを考える姿勢が要るようです。(松本美奈)
(2011年9月30日 読売新聞)
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