(26)付き合う工夫 共に重ねて
発達障害の同級生がいるようです。(小4女子の母)
先生は「皆よりゆっくりだけれど、同じ4年生」と言うものの、授業や運動会など様々な場面でペースが違う。付き合い方を聞かれても、悩んでしまいますね。
国立教育政策研究所の滝充・総括研究官も「難しいテーマ」と頭をひねりながら、「寛容さや社会について親子で考える契機ととらえては」と助言。例えばこんな風に始めるそうです。「何か気づいた時、カバーしてあげたら、○○ちゃんはうれしいんじゃない?」
反応が鈍く、「迷惑」と感じている様子なら、色々な人で構成するのが社会と伝える端緒に。「速く歩ける人がいれば、のんびりの人も。あなたは速いかもしれないけれど、五輪選手よりは遅いよね」といった要領です。自らの客観視にもつながります。
一方、好反応でも、すぐに具体的な指示はせず、やんわり背中を押すにとどめます。取るべき行動を考える訓練とするのです。
滝さんによると、こうした問題はかつて親同士で解決していたとか。地域社会の変化などでそれが難しい今、必要なのは、人と付き合う工夫を親子で重ねることです。それが社会を明るくする一粒の種となったら。心躍りますね。(松本美奈)
(2011年10月14日 読売新聞)
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