Q.子どもを預けるには
ママ友と助け合う、連絡・感謝しっかり
子どもを預けたり、預かったり。身近な〈ママ友〉との間にこんな関係ができれば、子育てするのに心強いことでしょう。支え合う関係を保つためには、心得ておきたい点がいくつかありそうです。
小学5年の長男(11)と保育園児の長女(4)を持つ母親(40)は、京都府内の企業で、長く広報を担当している。帰宅直前に急な仕事が入ることも多く、長男が保育園児のころから、午後7時までのお迎え時間ぎりぎりに駆け込むこともしばしばだった。
「大変そうやね」。同じ保育園のママ友の1人が「遅くなる時は一緒に連れて帰ってあげるよ」と申し出てくれた。「甘えていいのか」と不安もあったが、友だちと一緒に夕食や入浴をした様子を、長男がうれしそうに話す姿に「子ども同士が仲良くなるいい機会なのかもしれないと思うようになりました」という。
代わりに、そのママ友が仕事で忙しい日には、長男とその友だちがともに通う習い事の送り迎えを担当した。「できる時にはお返しをすることが大事。どちらかだけが無理をしていると、なかなか続かないのでは」と話す。
ママ友同士の付き合い方の現状はどうなのだろう。市場調査会社「キャリア・マム」(東京)が昨年5月、女性約340人を対象に実施したインターネット調査では、「子どもを預かる」程度までの付き合いがあるのは32%だった。「ママ友がいてよかったこと」を尋ねたところ、「悩みを相談し合える」「情報交換できる」に続き、「子どもの面倒をお互いに見る」が3位。いざというときに頼れる相手がいる安心感は大きいようだ。
家事・育児代行サービス「マザーネット」(大阪市)社長の上田理恵子さん(50)は「お金を払ってサービスを依頼する人も増えていますが、ママ友の力をうまく借りることと組み合わせれば、もっと便利になるはず。子どもの世界も広がり、ママ同士の信頼も深まります」と助言する。
とは言え、お願いする最初の一言が、なかなか言えないと感じる人もいるだろう。上田さんは「実は『預けるのは気が引けるけど、預かるのはかまわない』という人が少なくない。思い切って周囲に相談してみては」と勧める。
自身も会社勤め時代には、2人の子どもの送り迎えで、ママ友に助けられてきたという上田さん。「預かってくれるママ友には、気を使い過ぎないで素直に好意に甘えるとともに、感謝の言葉をしっかりと伝えることが大切です」とアドバイスする。
ただし、事故が起きないよう事前に親同士でよく話し合っておくことが必要だ。例えば、マンションと戸建てでは子どもにとって危険な場所は違ってくるが、初めてのお宅では、子どもは興味を持って動き回ったりしがちだ。高層階の窓から身を乗り出したり、大通りに面した家の門から走り出したりすると、事故に遭う危険性もある。危ない場所はないか確認し合い、子どもにもしっかりと注意事項として伝えておきたい。
子どもを預ける場合の心得 |
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・後片付けや掃除などはその家の方針に従い、自分の家と比べないよう、子どもに注意しておく |
・アレルギーなどで食べてはいけないもの、また苦手なものがあれば、あらかじめ連絡する |
・先方で、もらったり食べたりしたものは、帰宅後、必ず親に知らせるように言い聞かせておく |
・子ども向けの手土産ばかりでなく、時にはママ友向けに美容ドリンクや入浴剤などで感謝を |
・ゲームソフトなど高価なおもちゃの貸し借りはしない方がよい |
(上田さんの話を基に作成) |
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