優しい炎 ペレットストーブが人気
間伐材やおがくずなどを圧縮した小型の固形燃料「木質ペレット」を使うストーブが、人気を集めている。
まきストーブより工事が簡単で、家庭で炎を身近に感じながら楽しめるほか、灯油を使用せず環境に優しい点も、東日本大震災以降注目されているという。
ペレットストーブは、まきストーブと比べ煙が出にくく、灰の量も少ない。電気で動くファンを使って給排気を行うため、大がかりな煙突などは必要なく、代わりにFF式石油ストーブと同様の給排気口を壁に作る。
神奈川県葉山町の鈴木麻未さん(44)は昨年12月、2階建て木造住宅の自宅にペレットストーブを設置した。台所などと一体となった約20畳の居間はエアコンだけでは暖まりにくく、新たな暖房器具を検討するうち、ペレットストーブを知った。「ロウソクの揺らめく炎を眺めるのがもともと好き。部屋をいい雰囲気にできるのが魅力でした」と話す。
火の様子は、ストーブ前面のガラス越しに見ることができる。上部に燃料の木質ペレットを入れるタンクがあり、いったん火を付けると、そこから燃料が自動的にくべられる仕組み。ガラス面以外は、触ってもやけどするほど熱くはならない。タイマーで自動着火する機能もあり、「朝、部屋が暖かくてうれしい。火を見ようと、小学生と幼稚園児の息子もストーブ前に集まってきます」。
ペレットストーブ本体はイタリア製で約30万円。壁に穴を開ける給排気工事などに約20万円かかった。木質ペレットは1袋(10キロ入り)で600円ほど。今は2日に1袋使っている。
工事を手掛けた「スターホーム」(神奈川県葉山町)の星広信さんによると、消費電力は着火時に約200ワットだが、その後に必要なのは給排気などのファンを動かす100ワット程度。「エアコンと比べ電気を使わない。初期費用はかかるが、省エネを考えて購入を検討する人が増えています」。灯油ストーブとペレットストーブの燃料代はほぼ同じという。
国内外の製品を販売する「ラビットストーブ」が東京・原宿に設けたショールームでは、実際に燃えている様子が見られる。導入の際に留意したいのは、まきストーブほどではなくても室外の排気口から煙と臭いが出ること。特に着火時に白い煙が目立つという。「近隣の迷惑にならない所に排気口を設置する必要がある。場合によっては事前に隣家に相談することも大事になる」と同社では話す。
ペレットストーブの普及活動を行うNPO法人「森のライフスタイル研究所」(長野県)代表の竹垣英信さんは「灯油ストーブとは異なり、自分で灰を日常的に掃除するといった手入れが必要なことも知っておきたい」と話す。「値が張る商品なので、購入前に業者によく相談し、メンテナンスをきちんとしてくれる業者を選んでほしい」とアドバイスしている。
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