橋下氏、腹の底では首相狙う?…維新府議が解説
橋下徹・大阪市長の率いる地域政党・大阪維新の会が、次期衆院選の「台風の目」になる可能性が高まってきた。
20日、維新として、道州制を争点に国政に乗り込む構えを見せた。昨年4月の統一地方選、同11月の大阪ダブル選に圧勝した橋下維新の「国政進出宣言」。脅威に感じる既成政党からは、議論がスタートしたばかりの大阪都構想を飛び越えて国の形に言及する姿勢に批判の声も相次いだ。
「日本の国をリセットし、作り直すメンバーを集めたい」。この日のパーティーで、そう話した橋下氏は、会場を埋めた約1300人を前に、「既存の政党との関係がどうなるかわからないが、(衆院選候補者擁立を)準備する」と言い切った。
橋下氏はダブル選前は「国政には関与しない」としていたが、選挙後は大阪都構想への対応を巡って既成政党を繰り返しけん制。今月初めの民放番組では、「僕に社会保障、税の問題を預けてくれたら、3か月で決着する。次の総選挙で自民党も民主党もすべて倒す」などと語っていた。
この日のパーティー終了後は報道陣に、「国政進出は、国会が都構想実現のための法改正をしてくれるかどうかによる。必ず(進出)するというわけではない」と話し、煙に巻いたが、維新府議は「本音をちょっとずつ出していくのが橋下流。腹の底では首相を狙っているはず」と“解説”。維新市議は「維新が国政に行く流れは止められない。橋下さんも腹をくくっているでしょう」と話した。
ただ、都構想は実現に向けて緒に就いたばかり。維新と協力関係にあるみんなの党のほか、民主、自民、公明各党なども都構想を巡る協議に前向きに応じる構えだっただけに、各党関係者は戸惑いを隠せない。
民主党大阪府連幹部は「これまでの発言を聞いていても、出てくるだろうと思っていた。だが、都構想もまだ実現していないのに、具体性に欠けたまま道州制を持ち出すのは理解に苦しむ」と批判。別の幹部は「今の状況なら維新が総選挙で大勝してしまう」と危機感を募らせた。
一方、自民党府連幹部は、「市長になってまだ1か月。何も実行に移っていない中で国政に言及するのはおかしい」と反発。大阪選出の同党衆院議員も「橋下氏の観測気球。維新の影響力があるのは大阪だけだ」と冷ややかに語った。
公明党府本部幹部は「常に新しい目標をぶち上げて、自らと周囲を鼓舞するのが橋下市長のスタイルなのかもしれないが、国政政党に都構想への協力を求めている中で、わざわざ波紋を呼ぶような発言をするのはいかがなものか」と真意を測りかねた様子だった。
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