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自転車にも環境を

通勤時間帯の国道246号は、自動車でぎっしり。バス専用レーンを走行できる自転車は、渋滞を横目に渋谷方面に向かう(27日、東京・世田谷区で、画像の一部を修整しました)

 自転車で通勤する人が増えている。満員電車に乗りたくない、健康のため、気持ちがよいなど始める理由はさまざま。

 自転車通勤で欠かせないのが、安全な駐輪場所の確保だ。東京・麹町にある「ランナーズステーションプラスバイク麹町」では、今年2月から自転車通勤をする人たちのために駐輪スペースとロッカー、シャワーを備えたサービスを開始した。毎朝、サイクリストたちがやってきて、スーツに着替えて出勤する。

 東京・渋谷区の千葉学建築計画事務所では、事務所横の中庭に自転車専用のラックが設置され、社員たちが利用している。

 ネット通販などを手がける千葉市美浜区の「スタートトゥデイ」では、広い事務所の壁際に約20台の自転車が並ぶ。1年くらい前から、ブームに乗って自転車を利用する社員が増えたためだという。

 自転車利用に積極的な自治体もある。名古屋市は、2001年から自転車利用者の手当を増やし、自動車利用者の手当を減らした。その結果、自転車利用者は倍以上に増えたという。前橋市や京都市も今年度から、自転車通勤者を優遇し、自動車などの利用を減らすことを目指している。

 それでも、まだまだ駐輪場は足りないし、自転車専用レーンも少ない。歩道や反対車線の走行、急な車線変更などマナーの悪いサイクリストも目につく。

 「環境活動、健康増進などの面で、自転車に対して追い風が吹いている今こそ、インフラを整備したり、利用者に対する交通ルールの教育をしてほしい。そうすれば、自転車活用の環境が変わっていくのではないか」。自転車コンサルタントの内海潤さんは話す。

 写真と文 三輪洋子


アパレルを扱う会社なので、ファッションに興味がある人が多い。自転車も、ハンドルやサドルなどの色を変えたりして、おしゃれ感覚で楽しんでいる(千葉市美浜区のスタートトゥデイで)

ヘルメットをかぶり、レーサーパンツに着替えて帰宅の途につく利用者(東京・千代田区のランナーズステーションプラスバイク麹町で)

自転車通勤する社員が増えたため設置された自転車ラック。法規や乗り方、マナーなどの講習会も開いた(東京・渋谷区の千葉学建築計画事務所で)

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柵が設置されて自転車と歩行者を分離。双方から好評だ(福岡市で)

自転車を通して環境保護活動を行っているNPO「バイシクルエコロジージャパン」。全国各地で自転車通勤者を応援するイベントを行う(東京・原宿で)

神奈川中央交通は自転車を乗せられるバスの運行を始めた。現在は日中のみの実験期間だが、利用者の声を聞きながら拡大していくことも検討する。自転車と公共交通機関を併用することで環境負荷の軽減を目指している(神奈川県・茅ヶ崎市で)

建築家で東大大学院准教授の千葉学さん。「日本がもっと自転車に優しい国になってほしい」と話す(東京・千駄ヶ谷で)

事務所の壁面にズラッと並ぶ自転車。ブームに乗り台数はどんどん増えていった(千葉市の「スタートトゥディ」で)

自転車コンサルタントの内海潤さん。自転車利用者は、ちゃんとルールを守って、歩行者、自動車などと共存していくことが必要と話す(東京・日本橋の「エクスゲート」で)

国道246号線を渋谷方面に向けて自転車が、次々と走っていく。おしゃれな服装にカラフルな自転車で決めている人も(東京・世田谷区で)

環境に配慮し、自転車の利用を増やそうとする自治体も増えている(名古屋市役所で)

2009年4月27日  読売新聞)


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