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日本へ 大陸からの大波

「イー、アル、サン(1、2、3)」。新緑の美しい庭園に中国人カメラマンの声が響く中、着物姿で結婚写真を撮る中国人カップル(埼玉県川口市で)

 「日本で着物姿の結婚写真を撮るのが夢でした。中国で結婚式を挙げるときにはこの写真を会場中に飾りたい」

 中国福建省から観光で来日した彭英竜さん(36)、趙楠さん(24)のカップルは先月、和装での記念撮影に臨んだ。中国人観光客向けの結婚写真撮影プラン「Love In Japan」。発案者は埼玉県川口市の写真スタジオ「歓喜(ホァンシー)」の代表、劉傑さん(43)だ。

 「中国人のあこがれのリゾートウエディングはサイパン。でも、これからは日本も人気スポットになってくる」。日本留学を経て起業した劉さんは、上海、北京、アモイに支店を置き、日本へウエディング観光客を呼び込む。

 富士山を間近に望む静岡県御殿場市の公園。続々と到着する観光バスから降りてくるのは中国人のツアー客だ。「きれいな桜と富士山が見られてすごく満足。これから銀座でショッピングよ」。広東省から来た鍾静文さん(25)はおしゃれなサングラス姿でいそいそとバスに乗り込んだ。

 所得の向上を背景に、中国人の海外旅行熱は高まる一方だ。日本政府は昨年7月、それまで団体と家族旅行に限っていた観光ビザの発給を富裕層(年収約350万円)へと拡大した。さらに今年7月には発給要件を緩め、年収約85万円以上の中間層へも拡大する。

 これにより、現在の10倍の4000万人以上が個人観光ビザの発給対象となる見通し。ビザの申請窓口は北京、上海、広州の3か所から、瀋陽、大連、青島、重慶を加えた計7か所へと拡張される。

 中国(大陸)からの年間来日者数は2年前に100万人を突破。今や銀座、秋葉原にとどまらず、京都の寺社、北海道のスキー場など全国各地で頻繁に中国語が聞かれるようになった。

 中国では若い世代の間で日本のアニメやファッションが大人気。これに様々な日本現地体験が加われば、「等身大の日本」に対する理解がもっと深まっていくかもしれない。

写真と文 上甲鉄、冨田大介

(今年2〜4月撮影)

富士山を見たい中国人で混雑する公園駐車場。富士山は日本観光に欠かせないスポット(静岡県御殿場市の富士仏舎利塔平和公園で)

銀座でのショッピングも欠かせない。自然派化粧品や無添加サプリメントなどへの関心が高まっている(ファンケル銀座スクエアで)

現金とパスポートを手にした中国人観光客が、景気よく家電製品を購入していく(東京・秋葉原のラオックス本店で)

「親戚(しんせき)にも頼まれた」と炊飯器を四つ購入した中国人観光客。乗ってきた観光バスにホテルまで運んでもらうため箱に名前を書く(東京・秋葉原のラオックス本店で)

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金閣寺の見物に訪れた多くの中国人観光客(京都府で)

銀座を訪れる多くの中国人観光客。パンダの帽子をかぶった観光客も(東京・中央区銀座で)

銀座を訪れる多くの中国人観光客。銀座での買い物は一つのステータスだ(東京・中央区銀座で)

上海から北海道のスキー場を視察に来た雑誌記者たち。パウダースノーに歓声を上げた(北海道占冠村のアルファリゾートトマムで)

満開の桜の下、着物姿で結婚写真を撮る中国人カップル(埼玉県川口市で)
2010年5月17日  読売新聞)


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