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家具と刻む家族の時間

 この仕事に就いて間もない頃、ヨーロッパの人々がソファを買う場合、気に入ったものが見つかるまでじっくりと探し、さらに家族で十分に協議した上で、本当に気に入ったソファが見つかるまで買わないという話を聞いた。「すてきな買い物の仕方だなぁ」と思った記憶が、今も自身のモノ選びの基準になっている。

 仕事柄、これまで数多くのソファの製造現場を訪れ、座り心地や耐久性に影響を与える内部の構造、使用している材料の品質などから、そのソファが価格に見合った価値があるかどうかを判断してきた。その経験から、デンマークのアイラーセン社のソファ=写真=はお薦めできる。

 フレームには弾力性に富む無垢(むく)材を使用。クッション部分に100%フェザー(鳥の羽根)を使い、座る箇所によって比重(密度)を変えたウレタンフォーム素材を差し込んでいる。さらに背の上部やシートの下などあらゆる部分にも高密度のウレタンフォームが張り巡らされている。これにより、「へたり」を少なくし、座り心地を高いレベルで保つ効果がある。

 最近は、このアイラーセン社のものを始めとしたソファの張り替え依頼が増えている。自分たちが選んだものを簡単に捨てるのではなく、張り替えというリフォームによって、また新たな時間を家族とともに刻む。そんなヨーロッパに見られるような家具との付き合い方が、この国でもスタンダードになる予感がしている。(「アクタス」ブランド戦略室長 大重亨)

2012年1月26日  読売新聞)


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