(38)まず冷静に事情聞く
息子が万引きをしました。(中1男子の母)
ショックですね。怒りと悲しさで、我を失ってしまいそうです。
当たり前に聞こえるかも知れませんが、「まず冷静に事情を聞きましょう」と国立教育政策研究所の滝充・総括研究官は言います。
「万引きは犯罪。許し難い行為」と強調した上で、なぜしたかを、感情的にならずに尋ねる。いじめなどを背景に誰かの命令でしたことで、初めてではない恐れもあり、そこで責め口調では、真相への道を塞ぐからです。
その一方で、滝さんは、親も自らの行動やしつけの点検をと指摘します。
例えば、子どもが見慣れぬ物を持っていたら、見過ごさず、どうしたのかと聞く。「○○ちゃんからもらった」と答えたら、その場で相手の子の親にお礼の電話をかける。ウソならすぐに分かり、次の一手を迅速に打てるというわけです。
物があふれる時代。万引きの理由を「つい」と答えるケースも少なくないとか。きちんと善悪の区別や我慢を教えてきたか。親の姿勢が問われます。
子どもの問題行動は、これまでのしつけを見直す好機。「あの時は大変だった」と笑い合える日は、きっと来ます。(松本美奈)
(2012年1月27日 読売新聞)
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