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知的障害の生徒に技能検定

 知的障害がある特別支援学校生の就職を支援しようと、広島県が今年度、独自の技能検定を導入した。東京都に次いで全国2番目で、保護者らの期待を集めている。

 検定は、モップがけや窓ふきなど清掃と、喫茶店での接客の2分野で実施。技術だけでなく、身だしなみやあいさつも審査対象で、1〜10級で評価する。生徒は高等部在学中なら、何度でも受け直せる。

 県内の特別支援学校高等部で、知的障害がある卒業生の就職率は2006年、わずか10・5%。このため、各校が職場実習を増やすなどに努めた結果、11年春は26・4%と全国並みに追いついた。

 県はさらなる上昇を目指しているが、企業から「どんな仕事がどの程度できるか、見極めにくい」との声もあったため、県が生徒の技能を客観的に評価し、「お墨付き」を与えることにした。

 初の検定は今月、東広島市の広島大学で実施され、約170人が挑んだ。初日の10日は52人が清掃を受検。名前を呼ばれると、1人ずつ教室に入り、審査員を務める清掃会社員らが見守る中、慎重な手つきでテーブルをふいたり、ほうきで床を掃いたりした。

 自在ぼうき、テーブルふきの両種目で1級に認定された県立三原特別支援学校高等部1年の宗藤久美さん(15)は「検定中は緊張で頭が真っ白になったけれど、良い評価をしてもらえて、社会に認められたようだ」と喜んでいた。

 県教委の山下睦子・特別支援教育課長は「認定を受けることで、生徒にやる気や自信が生まれる」と期待する。来年度は、ワープロ、流通・物流、食品加工の3分野でも検定を実施する予定だ。(広島総局 有賀かほり)

2011年12月22日  読売新聞)
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