柔道マスターズ女子48キロ級・福見が浅見破りV
【アルマトイ(カザフスタン)=下山博之】柔道の世界マスターズ大会は14日、アルマトイで開幕し、日本女子が第1日の全4階級を制した。48キロ級は世界ランク2位の福見友子(了徳寺学園職)が、世界選手権2連覇中の浅見八瑠奈(コマツ)に優勢勝ちして初優勝を飾り、52キロ級は、西田優香(了徳寺学園職)が中村美里(三井住友海上)を退けた。57キロ級は松本薫(フォーリーフジャパン)、63キロ級は上野
五輪代表争い 福見「暗闇に光」
元世界女王は闘志も輝きも失ってはいなかった。ロンドン五輪の代表レースに踏みとどまるには優勝しかなかった福見が、土壇場で意地を見せた。
決勝は3連敗している浅見に組み勝ち、臆せずに前へ出た。浅見を場外に何度も追いやり、2分過ぎに相手に指導が出た。背負い投げを交えて攻め手を緩めず、残り2分で2枚目の指導が浅見に出て勝負が決した。表彰式では最近見せなかった満面の笑みを浮かべた福見は、「優勝しかなかったので背水の陣で臨んだ。暗闇の中に少し光が差した」と喜びを表現した。
部屋でくつろいでいるときも柔道が頭から離れない福見は、3歳下のライバルに勝てないショックに苦しんだ。そして、今回負ければロンドンへの道が途絶える状況で、「自分に素直になることだけ考えた」。柔道を続けてきた意味、五輪への思い――。第一人者の谷亮子(現・参院議員)に2度勝ったプライドを信じて戦った結果でもある。
膝を痛めた浅見は5月の全日本選抜体重別まで試合には出ない見通しで、女子の園田監督も代表決定は最終選考会にもつれ込むと見る。「見えてきた光を体全身で浴びられるように頑張る」。五輪イヤー最初のビッグタイトルで、福見の希望も膨らみ始めた。(下山博之)
浅見八瑠奈
「この負けで挑戦者の気持ちを取り戻せたらいい。次にどういう試合をできるかが大事」
園田隆二・女子監督
「浅見が勝てば(代表は)ほぼ決まりかなと思っていた。福見が意地をみせた。素直に評価しなければいけない。浅見が膝をケガしていたことが結果に表れた」
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