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柔道女子超級に中国の壁

エース杉本も「体力負け」

世界マスターズ女子78キロ超級準決勝で中国の2番手、秦茜(左)に敗れた杉本(15日、多田貫司撮影)

 カザフスタンのアルマトイで行われた柔道の世界マスターズ大会女子78キロ超級で、日本勢は層の厚い中国に屈した。

 北京五輪を制したトン(ウェン)のドーピング違反による出場停止処分が、昨年2月に取り消されて以降、世界選手権やマスターズのタイトルは中国勢が独占している。今大会もエースの杉本美香(コマツ)が、中国2番手の秦茜に敗れ、両国の差はさらに広がった。

 一昨年の世界選手権で杉本が秦茜を下して超級と無差別の2冠を獲得し、過去5回の五輪で4度の金メダルに輝いた中国の壁を打破したかに見えた。だが杉本は、組み手と懐へ潜る戦法を封じられると、得意の払い腰や内股を出せずに失速し、昨年の世界選手権もトン文と秦茜が金、銀を独占した。世界ランク1位の田知本愛(ALSOK)も今回、中国勢との対戦前の初戦で敗れるなど、日本は停滞の真っただ中にある。

 中国対策として、日本は相手より早く組んでパワーをいなす稽古を積んできている。重量級の田辺勝コーチは、「トン文とはまだ距離があるが、秦茜には対策が通じるはず」と見ていただけに、落胆は大きい。杉本も、「体力負け。うまくいかないが、五輪まで鍛えるしかない」と危機感をあらわにする。

 園田隆二監督が「杉本は技を持っているが、トン文とやる前に2番手に負けていては厳しい」と頭を痛めているが、中国勢の研究が日本を上回っている結果でもある。ロンドン五輪まで残り半年あまり。敗戦で学んだ反省を生かし、今度は日本が巻き返す番だ。

2012年1月19日  読売新聞)

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