オーガニックコットン
有機栽培 環境に優しく
環境問題への関心の高まりを背景に、農薬や化学肥料を使わない有機的な栽培方法のとられた「オーガニックコットン(OC)」が注目されている。染料を使わない生成りの製品が多く、肌触りの優しさも特徴だ。
OCとは、3年間農薬や化学肥料を使っていない畑で栽培された綿花のこと。一般的な綿花栽培では害虫を防ぐ目的のほか、機械でつみ取る前に邪魔になる葉を落とすため、農薬が使われている。土壌や地下水への影響を考え、こうした農薬を使用しない綿製品を増やそうという動きが世界的に広がっている。
途上国の製品を販売する「第3世界ショップ」(東京都目黒区)では、2004年からOCで作られた衣類を扱い始めた。現在は、ペルーやモーリシャスで縫製したスパッツやベスト、カーディガンなどを販売している。08年の通信販売での売り上げは開始当初の1・3倍。特に人気があるサマーブラウス(2940円)は品切れの状況だ。
店の運営会社「プレス・オールターナティブ」(同)の永井歩さんは、「すべすべとした肌触りが人気の理由です」と話す。染色していない生成りの製品が中心。グレーなどに染められたものもあるが、刺激の少ない染料が使われているという。「環境への意識が高い人たちがリピーターになっています」と永井さん。
「久米繊維工業」(東京都墨田区)では1999年からOCを使った国産Tシャツを年間1万枚ほど製造している。3990円と通常のTシャツより割高だが、販売量は増えてきた。「鮮やかな染料は使っていないため、ファッション性には欠けるかもしれないが、根強い人気があります」と専務の久米博康さん。
ただし、OCのTシャツはまだ、同社の生産量の1%程度に過ぎない。「OCと通常の綿を分けなければならないなど、手間がかかる。細かな積み重ねが環境のためになると考え、販売の割合を増やしたい」と久米さんは話す。
衣料品になってしまうと、通常の綿とOCはなかなか区別できないという。一般の綿と混ぜて使われることもある。このため、認証制度や表示制度の整備も急がれている。
ヨーロッパやアメリカなどの認証機関は、畑での栽培や紡績、縫製状況について認証を与えている。NPO法人「日本オーガニックコットン協会」(東京都新宿区)では基準を満たした製品を認証しており、認められた商品にはマークが付いている。繊維を扱う商社「興和」(名古屋市)は昨年4月から、「テネリータ」と名付けた独自の基準で、綿から縫製、流通までを管理する取り組みを始めた。経済産業省も昨年から、専門家による表示方法の検討会を開いている。
日本オーガニックコットン協会理事長の日比暉さんは「商品がどこでできたのかに関心を持ち、環境問題を重視する消費者が増える中で、消費量も増えている。信頼され、わかりやすい表示方法を目指したい」と話している。
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