シャネルに共感 幅広く
映画、関連本など相次ぐ
フランスのファッションデザイナー、ガブリエル・シャネル(1883〜1971年)の生み出したスタイルが、幅広い世代の注目を集めている。
通称、ココ・シャネル。今年夏以降、彼女の生涯をテーマにした舞台や映画の上演が相次ぎ、様々なシャネル関連本が出版されて書店に並ぶ。
例えば、18日公開の映画「ココ・アヴァン・シャネル」。孤児として育ち、お針子をして暮らした少女時代から、パリに店を構え、華々しい成功を収めるまでを描いている。
オドレイ・トトゥ演じる若きシャネルは、腰をきつく締め付けるコルセットの上に着た華美なロングドレスという20世紀初めの流行に反感を持つ。代わりに、機能優先の男性の乗馬服や、漁師の素朴なボーダー柄シャツに興味を持ち、自らの服に取り入れる。
当時、喪服の色だった黒を使い、装飾を省いた「リトル・ブラック・ドレス」、紳士服用のツイードを用いたジャケットなど、彼女の提案した実用的でシンプルな服が、女性の生き方を活動的に変えた。
来年公開予定の映画「シャネル&ストラヴィンスキー」では、香水「No.5」に心血を注ぐ30歳代のシャネルと、音楽家のストラヴィンスキーの恋愛が描かれる。現在、シャネルのデザイナーを務めるカール・ラガーフェルドのデザインした映画衣装も見所の一つ。
しかし、今なぜ、シャネルなのか? 服飾史に詳しい、フランス文学者の山田登世子さんは「女性がキャリアを持つことが当たり前になった現在、多くの人が彼女の前向きな生き方に共感するようになったのでしょう」と話す。
装飾的な要素を「足し算」することがおしゃれだった時代に、あえて装飾的な要素をそぎ落とす「引き算」のスタイルを貫いたシャネル。その生き方やファッションが、めまぐるしく流行が変化する今、かえって新鮮に映るのだろう。(生活情報部 宮木優美)
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