ざっくりニット品良く
この秋冬、ざっくりと編んだニットの上着が注目されている。大人の男性らしいエレガントな着こなし方を、スタイリストの森岡弘さんに聞いた。
編み物や編んだ服を意味するニット。伸縮性があり、体になじみやすいのが特長だ。
ニットでも、編み目が細かいものと粗いものとでは、その用途や雰囲気も大きく異なる。ハイゲージと呼ばれる細かい編み目のものは、繊細で上品なイメージ。ジャケットの下に着るセーターやベストなどに向いている。一方、ローゲージと呼ばれる編み目が粗くざっくりとしたニットは、ゆったりとした落ち着いた印象を演出できる。
この秋冬にぜひ着てほしいのは、ローゲージニットの上着だ。国内外の服飾ブランドなどが行った今シーズンの展示会に行ってみても、品ぞろえを充実させているところが多かった。ぬくもりや優しさを感じさせてくれるところなどが、いまの時代に受け入れられているのかもしれない。
ポイントは、ジャケット感覚で着こなすこと。丸首のTシャツの上からでもいいし、無地やチェックのボタンダウンのシャツの上からでもいい。ニットのもつ温かみと柔らかさが、大人の落ち着いた雰囲気を醸し出してくれる。同系色のハイネックのニットに合わせても、おしゃれだ。
シャツにネクタイを締めた上に合わせれば、きちんとした印象になる。リラックスした感じながらも、エレガントな休日スタイルに。大人のカジュアルな装いは、くだけすぎないことが大切。その点、ローゲージのニットをきちんと着ていれば、そんな心配は要らない。
パンツとのコーディネートがしやすいのも魅力だ。ジーンズに合わせれば若々しく活動的な感じに。チノパンツや、ひざ上の横側にポケットの付いたカーゴパンツともよく似合う。これからの季節なら、ウールなどの起毛した素材のパンツとの相性もいい。
足元にも気を配りたい。スエード素材の靴に合わせると、洗練された都会的な印象になる。登山用のマウンテンブーツのようなデザインの靴もお薦めだ。よりくつろいだイメージを楽しめる。
購入する際には、特にサイズに気をつけたい。大きすぎると、だぼだぼした感じになってしまう。身幅がすっきりとした細身のシルエットの方が今風だ。店員と相談しながら、ジャストサイズのものを選んでほしい。(聞き手・竹之内知宣)
「ショールカラー」で優しく
店頭にも、色やデザインなど様々なタイプのローゲージニットの上着が並んでいる。
今シーズン目立つのが、ショール(肩掛け)を掛けたような襟の「ショールカラー」のタイプ。よりリラックスした優しい感じを演出できる。紳士服仕立てのジャケットタイプ=写真右=や、ダッフルコートのようなデザインのもの=同左=もある。
色も多彩だ。ネイビーやグレーなどの単色のニットはもちろん、異なる色のウールを混ぜて編んだタイプなどもある。お気に入りを見つけて、ニットの装いを楽しんでみてはいかがだろうか。
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