フェイクファー　手頃な価格で上品に

付け襟やボレロなど様々な柄のフェイクファー商品が目立つ（横浜市のマルイシティ横浜で）

　フェイクファーなどと呼ばれ、化学繊維で作った人工毛皮を使った服飾雑貨の種類が充実している。天然の毛皮に比べて、価格が安い上、手入れも簡単で、色柄が豊富なことから人気が高まっている。

　人工毛皮は、ポリエステルやアクリルなどを使って、本物の毛皮に似せて作ってある。近年、製造技術が向上し、毛並みがそろい、柔らかな手触りで、本物と見分けのつかないものもあるという。カビや虫が付きにくく、毛が抜けにくいのが特徴。また、色や柄をくっきりと表現できるのも、フェイクファーならではだ。

　マルイシティ横浜（横浜市）では、ボレロや付け襟などにフェイクファーを使った商品がそろっている。２０００円代から６０００円代までのものが中心。買い付け担当の近藤里佳さんは「価格が抑えめで、幅広い世代の女性が買っていきます。ヒョウやシマウマなどアニマル柄が特に人気です」と話す。

　寒さが増すこれからの時期、マフラーストールもお薦めだという。茶色の無地やヒョウ柄などがある。幅約２０センチ、長さ約１７０センチの細長い布状で、両端にポケットが付いている。そのまま首からかけたり、巻いたりしてストールのように使え、ホックを留めれば、ベスト風にもなる。「毛皮に近い保温性があるので、１枚持っていると便利」と近藤さん。

「本物に比べて軽いのも魅力」と話すビームス広報の小川さん（東京・渋谷区で）

　今年の春先から流行している付け襟も人気の商品だ。アニマル柄や無地のものなど計３種類がある。ワンピースや、襟がないジャケットに合わせると、この秋冬流行のクラシックな雰囲気に。肩をすっぽりと覆うボレロは、カーディガン代わりに使えそうだ。

　近藤さんは、白いシャツとジーンズといったカジュアルな装いに、これらのフェイクファーの小物を合わせることを勧める。「上品な雰囲気を強調でき、毛皮にアレルギーがある人でも、安心して楽しめます」と話している。

　セレクトショップ「ビームス」の女性向けブランド「レイ　ビームス」では、ムートン（羊の毛皮）を模したブルゾン（１万７８５０円）やバッグ（７８７５円）が人気を集める。ブルゾンは、袖の幅が広めでケープのようなシルエット。下半身は、細身のパンツですっきりと見せると良い。広報担当の小川紗代さんは「ブルゾンの裏地はボア付きなので、前を開けて着ても暖かい」と話す。バッグはベージュと茶色の２色があり、秋冬らしい雰囲気を演出できる。

　「気軽に流行を取り入れられるのが『フェイクファー』の良さ。バッグなどの小物でも装いのアクセントになるので、この秋、試してみて下さい」と小川さんは話している。