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「デザイン」通し被災地に力

子どもとプロ 共同制作

丸山さんと高校生が手がけた服(手前)など「アリガトウ・プロジェクト」の作品が並ぶ東京デザイナーズウィークの会場(東京都内で)

 この秋、デザイン関連の様々な催しが開かれている。家具などの新作展に加え、東日本大震災を受け、被災地支援を目的とした製品開発やプロジェクト紹介の取り組みも目立つ。

 東京の明治神宮外苑絵画館前では6日まで、「東京デザイナーズウィーク(TDW)」が開かれている。26回目を迎えた大規模なデザインイベントで、国内外の企業やデザイナーなどが新作を発表する。

 その中で、デザインを通じて被災地を支援する「アリガトウ・プロジェクト」が初めて企画された。TDWに先立ち、デザイナーや建築家らが、東北の被災地を訪ね、子どもたちともの作りで交流。会場では、その際に制作した作品や取り組みの様子を紹介している。例えば、ファッションデザイナーの丸山敬太さんと福島県いわき市の高校生は、服にメッセージを刺しゅうするなどして、オリジナルのドレスを作った。メディアアーティストのトーチカは、宮城県女川町の小学生と、ペンライトの光で空中に絵や文字を描くワークショップを行った。

 会場では、親子で楽器を作って演奏したり、絵を描いたりする体験講座も開かれている。入場料(大人2500円)は、子ども連れの場合、割引になる。

 TDWを主催するデザインアソシエーション理事長の川崎健二さんは「デザインを通し、被災地の子どもの感性に訴えていく取り組みを続けていきたい」と話している。

 18日からは、復興支援を目的とした「やさしいハンカチ展」も東京ミッドタウン(東京)で始まる。日本グラフィックデザイナー協会の主催で、586人のデザイナーがデザインしたハンカチを展示販売する。1枚(1500円)売れると、同じデザインのものを宮城、岩手、福島県の小学生に届ける。12月25日まで。名古屋、仙台市などへも巡回する予定。

 アクシスギャラリー(同)では、「POST3・11 これからデザインにできること」と題した企画展が6日まで開かれている。復興に向け、建築家などが進めているプロジェクトを紹介している。

現地に工房 住民を雇用

石巻工房で作られたバッグなどが並ぶ企画展(東京のアクシスギャラリーで)

 例えば、宮城県石巻市に5月に開設されたもの作りの拠点「石巻工房」は、デザイナーらが運営し、地域住民と共にバッグや家具などを製作。工房や仮設住宅で、地元の女性らに作り方を教えている。売り上げは、地元の人々の収入や工房の運営費に充てる予定。

 震災の教訓を伝える目的で、同県気仙沼市内で被災前、被災後の写真の収集や撮影を行っているプロジェクトもある。

 こうしたデザインによる被災地支援の取り組みについて、同ギャラリーで企画を担当する佐野恵子さんは、「デザインは生活全般に関係し、快適に暮らすために大きな役割を果たしている。デザインの力を展示を通して感じ、被災地支援のためにどんな協力ができるかを考えるきっかけにしてほしい」と話している。

2011年11月4日  読売新聞)

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