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松井秀、会心1号 迷わず好球ガツン

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2回無死、松井が先制ソロ本塁打を放つ(24日、フロリダ州・セントピーターズバーグで)=金沢修撮影

 【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)=門脇統悟】ヤンキースの松井秀は24日、デビルレイズ戦に6番・左翼で先発出場し、二回の第1打席で今季1号本塁打を右翼席上段へ運んだ。八回の第4打席では、二死三塁から右前適時打を放つなど、戦列復帰2戦目で存在感を見せた。

 デビルレイズの岩村は、右脇腹を痛めて故障者リスト(DL)入りしたため、試合を欠場した。試合は6―4でデビルレイズが勝ち連勝。ヤンキースは5連敗で、ア・リーグ東地区最下位に転落した。

 鋭いスイングでたたいたボールは、右翼席上段へ飛び込んだ。故障者リスト入りから、復帰2戦目となった松井。先頭の二回の今季1号ソロは、「会心の当たり」だった。

 背番号「55」は、いざ打席に入れば、常にシンプルに考え、そして信じている。「ミスピッチ(失投)があるものと思って待つ」。相手投手が狙った所に全部投げてくるなんて思ったら、迷いを生むだけ。際どいコースを巧打したからといって、勲章のようにとらえる打者でもない。

 「甘いボールが来るもんだと思って待ち、それをいかに打つか。ミスピッチを打ってる確率の方がずっと多い」。追い込まれるまでは、頑とした姿勢を崩さない。それが、好結果を生むという信念だ。

 この日の相手は、エース左腕のカズミアー。松井にとっては、「ストレートとスライダーの見極めが難しい」タイプだ。開幕戦での対戦は、1打席目の四球以外は、一ゴロ、空振り三振と打ち取られた。

 ただ、だからといって、打席内での信念は崩していなかった。外角、内角と外れた速球は悠然と見送った。そして3球目。やや外寄りに入った好球に初めて反応した。速球を十分に引きつけてガツンとたたいた。

 「危機感を持たないといけない。早く連敗を止めないと」。5連敗に笑みはないが、前日の復帰戦は1犠飛2四球、この日は特大の先制ソロ。時にしぶとく、時に豪快な貢献は松井らしかった。(小金沢智)

2007年4月25日  読売新聞)
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