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07 松井秀喜

ヒデキ2発 月間13本

20号到達自己最速

ヤンキース 16―3 ホワイトソックス

 3点を先制した初回の第1打席。松井秀はカウント1―2から、真ん中高めの速球を振り抜いた。相手は対戦打率2割3分のコントレラスだが、今は関係ない。高く上がった飛球は右中間席へ飛び込む20号ソロとなった。

 松井は自分の間という「一瞬の時」を手に入れている。下半身とのバランスがうまく取れたスイングは、ボールを長く見る間を生む。相手の攻め手を「うまく待てている」のだ。

 好調持続の7月。六回、初球をライナーで右翼席へ運ぶ2ランも放ち、計13本の荒稼ぎ。両リーグ最多もほぼ確実。20号到達ペースでも04年の8月4日をしのぎ、7月中の到達はメジャーで初めてだ。それでも、「たくさん打った気はする」と認めはするが、「満足というのはない気がする」。

 確かに快音を連発しながらも、背番号55は言っていた。「変な言い方をすれば、良くても悪くても、出た結果はそこであきらめなくてはいけない」。数字は次の打席、次の試合を決めない。だから言い切る。「常に今の時点より良くなるには、どうしたらいいかを考えてる。結果に自分自身の心を乱されたら悪くなるから」

 今季初、メジャー2度目の1試合2発。打撃内容は参考資料として記憶にとどめても、ダイヤモンドをゆっくり回った小さな達成感は、すぐに忘れるはずだ。(ニューヨーク、小金沢智)

2007年8月1日  読売新聞)
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