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王建民KO、松井秀無安打 ヤンキース敗退

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インディアンスに敗れ、ベンチでぼう然とするヤンキースの選手ら=清水健司撮影

 【ニューヨーク=小金沢智】米大リーグのプレーオフは8日、ア・リーグ地区シリーズ、ヤンキース(ワイルドカード)―インディアンス(中地区1位)第4戦の1試合が行われ、インディアンスが6―4で勝ち、通算3勝1敗で1998年以来のリーグ優勝決定戦に進出した。ヤンキースは3年連続して地区シリーズでの敗退となった。

 1勝2敗と後がないヤンキースは、中3日でエースの王建民を先発させたが、2回もたずに4失点KOと序盤から苦しい展開となった。松井秀は6番DHで先発。4点を追う二回、四球で出塁後に、ジーターの内野安打で生還した。結局、ノーヒットに終わり、2打数無安打2四球1得点だった。

2回もたず4失点

 後がないヤンキース。トーリ監督の決断は裏目に出た。先発は初戦から中3日の王建民。初戦は五回途中で8失点だったとはいえ、2年連続19勝の絶対的なエースを送り出した。本拠地では防御率2・75と相性が良く、一昨日のブルペンも良かった。

 「シンカーを武器にする投手は、少し疲れていた方がいい時がある」。力まず腕を振れる。そんな判断もあった。

 だが、先頭のサイズモアにいきなり本塁打を許すなど、王は序盤から苦しんだ。武器であるはずの高速シンカーの落ちが悪いうえ、低めに決まらない。二回無死満塁となったところで降板を告げられた。

 7日付の米地元紙に、スタインブレナー・オーナーが答えていた。「彼(トーリ監督)はがけっ縁にいる。このシリーズで負けたら、続投があるとは思えない」。監督はこのコメントの影響を否定する。「何か月も何日も一緒にやってきた仲間たちが、お互いを助けようとすることが大切だと信じたい」。外部の発言に関係なく、我々はプロとしてやるべきことができる、そんな信念を示したものだろう。

 だが、二回で4点のビハインド。監督の進退問題はともかく、負けられない試合ではあまりに重すぎた。打線は七回まで、毎回の11安打を放つも、ここ一番の凡打に泣く。重圧を解き放てず、最後まで追いつくことは出来なかった。(ニューヨーク、小金沢智)

冷静に四球選ぶ

 松井は冷静に四球を選んだ。4点を追う先頭の二回、カウント2―0からのファウルで珍しく、球審に繰り返し抗議。ミットがバットに当たったという打撃妨害のアピールで、監督を交えて粘ったが、認められなかった。「いい時も悪い時もいつも一緒でいることが大事」。そんな平常心を心掛ける姿勢はこんな時も生きる。ボールを4球しっかり見極めて出塁。反撃の1点につなげた。

 ヤンキース・トーリ監督「王は球速はあったがボールが高かった。(地区シリーズで敗退したが)選手たちを誇りに思う。このチームには素晴らしい未来がある。若い選手が出てきたし、能力だけではなく質も高い」

2007年10月9日  読売新聞)
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